【記事投稿日】2026年6月11日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
足三里の効能

足三里には、次のような効能があります。
- 胃の働きを良くする
- 膝の腫れを改善する
- 鼻づまりを改善する
- 目の充血を取る
- 背中の張りを楽にする
- 顔面神経麻痺
- その他(中風予防・神経症・坐骨神経痛)
効能の解説
①胃の働きを良くする

足三里は、足の陽明胃経(ようめいいけい)と呼ばれる経絡上(気血の流れる道)にあります。
その名前の由来の通り、このツボは胃とつながっています。
そのため、足三里を刺激(鍼・お灸・指圧)すると経絡の流れが良くなり、胃の働きも良くなります。
ただし、胃酸過多による胃の不調には合いません。
食欲がない方にお勧めのツボです。
図解鍼灸実用経穴学(医道の日本)には、「まず第一に消化器病一般に効く。胃腸、肝、胆、膵の諸病」と書かれています。
※検査で異常のない胃の不調方は、「機能性ディスペプシアと鍼灸治療」をご覧ください。
②膝に溜まった水を改善する

加齢による変形性膝関節症では、炎症を起こして膝に水が溜まる(腫れる)ことがあります。この経絡の流れを良くすると、溜まった水を押し流して腫れを改善させる働きがあります。
実際に足三里へ灸をするようになってから、膝の腫れが引く方を何度もみています。
根気よく続けることが大切です。
超旋刺と臨床のツボ(医道の日本社)にも、「(主治)膝関節疾患で水の溜まるもの」と書かれています。
※膝の痛みについては、「変形性膝関節症と鍼灸治療」をご覧ください。
③鼻づまりを改善する

足の陽明胃経は鼻から始まり足に向かっています。
そのため、足三里を刺激することにより鼻粘膜の鬱血が改善され、鼻づまりの改善につながります。
鍼灸真髄(医道の日本)にも、「これに灸すると、鼻の塞がったのが通り、鼻の穴の乾くのがなほり、眼がハッキリし、頭痛がなほる」と書かれています。
④目の充血を取る

足三里は逆上せを引き下げる働きがあります。
そのため、逆上せによる目の充血を改善させます。
藤本連風経穴解説(メディカルユーコン)には、「陽明の胃土から出た熱が上焦を襲って、目の充血が起こったりするのにも非常に効果があります」と書かれています。
⑤背中の張りが楽になる

胃腸の弱い方の中に、「背中が張って重苦しい」と言われる方がいます。
特に、腰より少し上の背中(胃兪)付近が硬くなっている方は、胃の影響が考えられます。
「胃兪」は胃とつながりのあるツボなので、足三里で調子が良くなると自然と背中も緩んできます。
その他(坐骨神経痛・神経症・中風の予防)
坐骨神経痛は、太ももで神経が分かれて足三里のある脛(すね)を通ります。
そのため、坐骨神経痛がある方は痛みや痺れを生じることがあります。
ここに鍼・灸・指圧などをすると痛みや痺れを緩和させます。
※坐骨神経痛については、「坐骨神経痛と鍼灸治療」もご覧ください。
鍼灸治療基礎学(医道の日本)には、
「三里は、下陵・鬼邪・足三里等の別名がある。鬼邪は十三鬼穴の一に当たり、精神病の場合に用いられている」と書かれています。
中風の予防に用いられてきた理由は、ツボの性質と関係があります。
足三里は逆気を引き下げる働きがあるので、中風の予防を目的とした養生の灸として、古くから尊重されてきました。
足三里の場所

足三里は、外膝眼(がいしつがん)から下3寸の位置にあります。
外膝眼とは、膝蓋靭帯の外側の凹みのことです。
そこから人差し指〜小指を揃えた幅(3寸)分、下に下がったところが足三里です。
ご自身でお灸をやってみたい方は、「台座灸のやり方」もご覧ください。
まとめ
足三里は、胃腸への作用だけでなく、膝・鼻・目・背中・神経症状など幅広い効能をもつツボです。
養生の灸としても古くから用いられてきました。
体調不良で施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。


