【記事更新日】2026年6月10日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
抗生物質を飲み切ったのに、頻尿と下腹部の違和感がどうしても残る——
そんな経験はありませんか?
じつは、病院での治療後に残る頻尿や下腹部の違和感に対して、お灸が助けになることがあります。
今回は、膀胱炎に使うツボをご紹介します。
膀胱炎にお灸が効いた話

当院に来られた女性から「トイレが近くて困る」というお話をお聞きしました。
若い頃から膀胱炎になりやすく、頻繁に病院へ通っていたそうです。
しばらく落ち着いていたのですが、また再発してしまいました。
抗生物質を処方されて飲み切ったにもかかわらず、頻尿と下腹部の違和感が取り切れないとのことでした。
来院の主訴は膀胱炎ではなかったのですが、鍼灸で改善した事例があることをお伝えし、自宅でお灸をするようにお勧めしました。
その方は毎日ツボにお灸をしたところ、一週間後にはスッキリ良くなっていました。
過去には、こんなこともありました。
80代の女性が膀胱炎で来院されたことがあります。

「病院へ行ったらお休みでみてもらえなかった」とのことで、排尿痛・頻尿・下腹部の違和感を訴えておられました。
施術をしたところ、数日後には症状がなくなって喜ばれたことを思い出します。
膀胱炎に伴う頻尿や下腹部の違和感は、鍼灸で変化がみられることがあります。
※排尿痛が強い、血尿がある、発熱や腰の痛みがある場合は、まず医療機関で確認してください。
膀胱炎に効くツボ
膀胱炎でお悩みの方にお勧めのツボを2つご紹介します。
蠡溝(れいこう)
ツボの説明

蠡溝は、足の厥陰肝経(けついんかんけい)と呼ばれる経絡上にあるツボです。
経絡とは、気・血の流れる川のようなもので、「ツボ」と「肝臓」は経絡でつながっています。
この経絡は生殖器系などを通過しているため、婦人科疾患によく用いられますが、泌尿器疾患にも効果がみられることがあります。
特に、このツボを押して痛みを感じる場合は、よく効く傾向があります。
蠡溝は、泌尿器、子宮内膜炎や膣炎等の婦人科疾患の炎症や下焦の病によく効き、三十一壮の多壮灸とする。
引用:鍼灸治療 新治療法の探求(医道の日本社)
ツボの見つけ方

まず、足首の内側を触ってみてください。骨の出っ張り(内果)がわかると思います。
この内果から5寸上、脛骨の内側面にある凹みが「蠡溝」です。
5寸の測り方は次のとおりです。
- 人差し指〜小指の幅 = 3寸
- 人差し指〜薬指の幅 = 2寸
この2つを合わせた幅が5寸になります。指の幅でおおよその位置を確認してみてください。
蠡溝(絡穴) 取穴部位:内果の上5寸、脛骨内側面上の陥凹部に取る
引用:経絡経穴概論(医道の日本社)
中極(ちゅうきょく)
ツボの説明
中極は下腹部にあるツボで、膀胱の状態を反映します。
膀胱炎の方は、このツボを押すと不快感を感じることが多いです。
逆に、症状が改善してくると押しても不快感がなくなってきます。
膀胱炎・尿道炎で小便が近く、放尿時またその後の痛み、不快感に良い。
引用:超旋刺と臨床のツボ(医道の日本社)
ツボの見つけ方

お臍の下4寸、恥骨結合の上際から1寸の場所にあります。
簡単な見つけ方は、指で下腹部を押しながら下へ向かうと、骨(恥骨結合)にぶつかります。その骨の際から親指1本分(1寸)上が中極です。
お灸のやり方

お灸にはさまざまな種類がありますが、一番使いやすいのは台座灸(だいざきゅう)です。
裏側に両面テープがついているので肌に貼り付けられ、ボール紙の上にもぐさが乗っているため熱さが柔らかくやけどをしにくい構造になっています。
ドラッグストアで購入できます。買うときはなるべく温度が低いタイプを選びましょう。
熱すぎると水ぶくれになることがあります。基本的に台座灸でやけどをする方はほとんどいません。
1日1回1〜2個を目安にお灸をしてみてください。
台座灸について詳しく知りたい方は、「台座灸のやり方」をご覧ください。
【参考図書】
- 鍼灸臨床わが三十年の軌跡(医道の日本社)
- 経絡経穴概論(医道の日本社)
- 鍼灸治療 新治療法の探求(医道の日本社)
- 超旋刺と臨床のツボ(医道の日本社)
施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。


