【記事改定日】2026年6月13日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
親指を動かすと、手首の親指側が痛い。
家事や仕事で手を使うたびに、ズキッと痛みが走る。
このような手首の痛みでお困りの方の中には、腱鞘炎(ドケルバン病)が関係していることがあります。
このページでは、腱鞘炎の基礎知識と、私(鍼灸師)が臨床で使う3つのツボについてお伝えします。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)とは?

手首には、橈骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき)と呼ばれる骨の出っ張りがあります。
ドケルバン病は、この出っ張りの影響で、親指を動かす「腱(けん)」と
「腱鞘(けんしょう)」が強くこすれ合い、炎症を起こすことで発症します。
仕事や家事などで手を酷使している方にみられやすく、
女性ホルモンの変動(妊娠・出産・更年期)の影響を受けやすいため、女性に多い傾向があります。
ドケルバン病のセルフチェック

親指を指の中に入れてグーを作り、小指側へ手首を曲げてみてください。
その際に痛みが出る場合は、ドケルバン病(腱鞘炎)の可能性があります。
※ この確認方法は、あくまで目安です。痛みが強い場合や判断に迷う場合は、整形外科などで確認してもらうことも大切です。
腱鞘炎の基本的なケア
まずは、日常生活でなるべく手を使わないこと、
そして手首に負担がかからないよう動作を工夫することが大切です。
その上で、鍼灸師としておすすめしたいのが、
以下の3つのツボへのお灸です。
腱鞘炎を改善する3つのツボ
① 三陰交(さんいんこう)

三陰交は、ふくらはぎの内側にあるツボです。
生理不順・生理痛・貧血などにも効果を発揮するため、
女性の方はぜひ覚えておいていただきたいツボのひとつです。
取り方:
内くるぶしから膝に向かって4横指(人差し指〜小指の幅)上がったところにあります。
台座灸または透熱灸を行います。
② 列缺(れっけつ)

列缺は、手首にあるツボです。
頭痛や後頚部の痛みにも用いられます。
取り方:
手のひらを上に向け、手首のシワの親指側(太淵/たいえん)から肘に向かって1寸5分(親指の幅を1寸とする)
上がったところ、橈骨動脈の拍動がわずかに感じられる側に取ります。
主治:扁桃腺炎・咽喉痛にきく。また母指痛・母指麻痺を治する。
〈引用:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)〉取穴部位:前腕前橈側にあり、太淵穴から尺沢穴に向かい上1寸5分で、動脈拍動部のやや橈側に取る。
〈引用:経絡経穴概論(医道の日本社)〉
③ 陽陵泉(ようりょうせん)

陽陵泉は、膝の外側にあるツボです。
「筋会(きんえ)」とも呼ばれ、筋肉の疾患に広く用いられます。
一名を筋会という。難経によるに「筋之会」であって、よく筋病を治する。
〈引用:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)〉
私(鍼灸師)の場合は、リウマチによる手首の痛みにも使っています。
痛みをよく軽減してくれる印象があるためです。
ポイント:腱鞘炎が起きている側と反対の陽陵泉を使うこと。
例えば、右手首の腱鞘炎であれば、左の陽陵泉を使います。
間違えないように注意してください。
取り方:
膝の外側を触ると、腓骨頭(ひこつとう)と呼ばれる骨の出っ張りに触れます。
その出っ張りの下・やや前側に陽陵泉があります。
陽陵泉(合土穴)〈筋会〉
取穴部位:膝をたてて腓骨頭の前下際に取る。
〈引用:経絡経穴概論(医道の日本社)〉
台座灸または透熱灸を行います。
お灸の効果確認の目安

お灸を行う前に手首を動かして、痛みの程度を確認します。
お灸を終えてから再び動かしてみてください。
痛みが和らいでいるようであれば、効果が出ているサインです。
変化がなければ、もう一度繰り返します。
2〜3回続けると痛みが和らいでくることが多いようです。
これを毎日続けることで、腱鞘炎の症状が楽になっていくことがあります。
お灸について知りたい方は、「台座灸のやり方」をご覧ください。
まとめ
ドケルバン病(腱鞘炎)のセルフケアとして、
三陰交・列缺・陽陵泉の3つのツボへのお灸が参考になるかもしれません。
いずれも自宅で手軽に行えるツボです。
施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。

