病を引き起こす感情と五臓の関係

東洋医学の基本

【記事改定日】2026年6月9日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)

イライラしやすい。考えすぎて眠れない。悲しいことが続いて、体調まで崩してしまう。

このような経験はありませんか?

私たちの体は、生命を維持するために、内分泌系(ホルモン)や自律神経系によって調節されています。

しかし、強いストレスを受け続けると、ホルモンや自律神経のバランスが崩れ、さまざまな不調が起きます。

仕事・家庭・学校・親戚・近所のつき合いなど、人との関わりの中で精神的ストレスを受けて不調になる方は大勢います。
また、暑い日が続いていたのに急に寒くなると、気候の変化に対応できず体調を崩す方もいます。

東洋医学では、このストレスにあたるものを①内因(七情)・②外因・③不内外因に分けています。

【参考】七情とは、次の7つの感情です。 怒・喜・思・憂・悲・恐・驚


内因(感情)が五臓に影響する

内因(感情)は、五臓(肝・心・脾・肺・腎)に影響を及ぼし、内臓の働きを低下させ、さまざまな不調をもたらします。

例えば、嫌なことが起きてイライラや怒りが続くと、「肝」の働きが悪くなります。
イライラする感情(内因)は肝と密接な関係があるからです。

逆に、肝に不調があると、イライラしたり怒りっぽくなったりします。

あなたの周りにいつもイライラしている人がいるなら、その人は「肝」を病んでいるのかもしれません。

西洋医学では、アルコール・薬・サプリメントの摂りすぎが肝臓を傷めると考えますが、東洋医学では「感情(内因)」によっても肝が悪くなると考えます。


「肝」の不調が引き起こす症状

肝の働きが悪くなると、次のようなさまざまな不調が現れることがあります。

目の不調

眼精疲労・ドライアイ・仮性近視など眼科系の症状と関係があります。ただし、パソコンやスマホの見すぎにも注意が必要です。

筋肉・筋(スジ)の不調

肩こり・腰痛になる方もいれば、手の使いすぎによる腱鞘炎も関係することがあります。筋肉・筋(スジ)の問題であれば、肝が関係していると考えます。

生殖器の不調

生理痛・月経不順・前立腺炎など。

不眠

頭に上った血が肝に戻らず、興奮が落ち着かなくなります。

消化器の不調

嘔気・腹部膨満・下痢など。

このように、内因(感情)が五臓に影響を及ぼし、さまざまな不調を引き起こすのです。
これらの症状が起きる理由は、東洋医学で考える「肝」の働きを知ると理解できます。

[参考:東洋医学で考える肝の働き]


感情と五臓の対応関係

感情の種類によって、影響が出る臓が異なります。

  • 肝(木):怒り(イライラ)
  • 心(火):喜び
  • 脾(土):思い悩む
  • 肺(金):憂い・悲しみ
  • 腎(水):恐れ・驚き

こうした関係で肝・心・脾・肺・腎に影響が出ると、内臓の働きが阻害され、さまざまな不調が起きます。

なるべく偏った感情(イライラ・喜びすぎ・思い悩み・悲しみ・過度な恐れ)にならず、穏やかに過ごすことが健康の秘訣です。

体調不良で施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。


【関連記事】

東洋医学で考える心の働き
東洋医学で考える脾の働き
東洋医学で考える肺の働き
東洋医学で考える腎の働き


【参考文献】

  • 東洋医学概論(医道の日本社)
  • 経絡治療のすすめ(医道の日本社)
  • 漢方鍼医基礎講座

おかだ鍼灸院 院長。

東洋医学(脈診・腹診)を中心に、
自律神経の不調や不妊(妊活)のお悩みを
26年以上臨床でサポートしています。

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