あなたは、鍼灸(はりきゅう)と聞くと、どのような症状に効果があると思いますか?
「肩こりや腰痛に効果があるのかな?」と思っている方は、多いのではないでしょうか。
確かに、鍼灸は肩こり・腰痛を改善させるのに良い施術です。しかし、鍼灸が対応できる症状の幅は、思っている以上に広いものです。
このページでは、私(鍼灸師)が臨床で感じている、鍼灸が役立つ症状を分野ごとにまとめてご紹介します。
このような事でお困りですか?

- 病院で検査を受けたが「異常なし」と言われた
- 薬を飲んでいるが症状がなかなか改善しない
- 肩こり・腰痛以外にも鍼灸で診てもらえる症状があるか知りたい
- 不妊・逆子など婦人科系の悩みで鍼灸を受けられるか知りたい
- めまいや耳鳴りが続いていて困っている
1. 運動器疾患

私(鍼灸師)は「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を取得した後、整形外科に勤務していた経験があります。
整形外科では薬物療法(痛み止め・注射・湿布)が中心でしたが、電気治療・温熱療法・マッサージも行っていました。
当時、介護職の20代女性が来院されました。
首の緊張が強く、上下・左右を向くことがほとんどできない状態が何か月も続いていたそうです。
以前は東京の病院に通っていたそうですが、
「あなたの首は治らない」と言われ、通院をやめたとのことでした。
リハビリ室での電気治療・温熱療法・マッサージを続けても改善が見られなかったため、鍼灸を勧めました。
整形外科での施術なので鍼灸専門院ほど高度なことはできませんでしたが、数か月続けるうちに首を動かせるようになりました。とても喜ばれたことを覚えています。
このような経験からも、肩こり・腰痛などの運動器疾患に、鍼灸が役立つことがあると感じています。
運動器疾患の例
肩こり・腰痛・ぎっくり腰・背中の張り・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症(神経根型)・椎間板ヘルニア(慢性期)・変形性股関節症・変形性膝関節症・頚椎症・テニス肘・五十肩・肋間神経痛・後頭神経痛・顔面神経麻痺・顎関節症
▶ 腰痛の鍼灸治療
▶ 腰痛の鍼灸症例
▶ 坐骨神経痛の鍼灸治療
2. 自律神経失調症

鍼灸は、肩こり・腰痛などの運動器疾患だけに用いられる施術ではありません。
埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院には、
ストレス・更年期・産後の不調による自律神経失調症の方が多く来られます。
特に「めまい」「食欲不振」「動悸」「頭痛」に対して効果を感じることがあります。
西洋医学(病院)は、検査で異常が見つかる「原因のはっきりした不調」を得意としています。
例えば、細菌感染であれば抗生物質を、腫瘍であれば手術で対応します。
一方で、検査をしても原因がわからない不調は苦手としています。
そこで、東洋医学(鍼灸)の出番となります。
東洋医学には「未病(みびょう)を治す」という考え方があります。
「検査で異常はないけれど体調が悪い」——これは病気ではないけれど健康でもない、いわゆる「未病」の状態です。
東洋医学では、体調回復を阻害する体内のアンバランスを整えることで、
体質改善・自然治癒力の向上を目指します。
そのため、病院で「異常なし」と言われた方でも、鍼灸を続ける中で、不調が少しずつ落ち着いていく方もいらっしゃいます。
自律神経の乱れが気になる方は、自律神経失調症の専門ページもあわせてご覧ください。
自律神経失調症の例
めまい・動悸・食欲不振・頭痛・喉の詰まり・不眠・下痢・便秘・手足の冷え・イライラ・抑うつ感・倦怠感
▶ 自律神経失調症の鍼灸治療
▶ 自律神経失調症の鍼灸症例
▶ めまいの鍼灸治療
▶ 頭痛の鍼灸症例
3. 婦人科疾患

晩婚化により、不妊でお悩みの方が増えています。
不妊専門クリニックでタイミング療法・人工授精・体外受精を行ってきたけれど妊娠に至らない、という方が東洋医学に希望を持って来院されることがあります。
来院される不妊の方を拝見すると、
「手足が冷たい」、「お腹が硬く血液の滞りがある(瘀血)」、「不妊と関係する『腎』が弱い」といった状態が見受けられます。
鍼灸を続けるうちにお腹が柔らかくなったり、手足が温かくなったり、内臓の働きが高まっていくことを感じます。
体外受精を受けている方の場合、
ドクターから「卵の質が良くなった」「子宮内膜が厚くなった」と言われることがあります
これは、自律神経の乱れが整ったり血行が改善されたりすることで、子宮や卵巣へ栄養やホルモンが届きやすい状態に近づいている可能性があると考えています。
また、妊娠後の逆子でお悩みの方もいらっしゃると思います。
私には姉が一人いますが、3人の子どものうち2人が逆子でした。
逆子のまま経過すると、帝王切開になる場合があります。
帝王切開は必要な医療処置ですが、
下腹部を切ることで腹部の血流が悪くなり、「瘀血(おけつ)」を形成しやすくなって、体調不良の原因になる場合があります。
※瘀血については、「瘀血(おけつ)と鍼灸治療」をご覧ください。
そこで、私は姉に鍼灸施術を行いました。
腰のあたりにお灸をしていると「お腹が動き出した!」と言っていたことを思い出します。
後日、姉が産婦人科へ行き確認してもらうと正常の位置に戻っていました。
ただし、逆子の場合は妊娠9か月になると赤ちゃんが大きくなり、正常位置に戻すことが難しくなります。なるべく6〜8か月以内に対処することが大切です。
不妊・妊活でお悩みの方は、妊活(不妊)の専門ページもあわせてご覧ください。
婦人科疾患の例
生理不順・生理痛・不妊・逆子・更年期障害(めまい・動悸・食欲不振・頭痛・喉のつまり・のぼせ・イライラ・不正出血)
▶ 不妊(妊活)の鍼灸治療
▶ 不妊(妊活)の鍼灸症例
▶ 生理痛の鍼灸治療
▶ 更年期障害の鍼灸症例
4. 耳鼻科疾患

めまいを発症する主な疾患には、
良性発作性頭位めまい症・メニエール病・前庭神経炎・突発性難聴などがあります。
耳鼻科で薬を服用してもめまいが改善しないという方も来られることがあります。
おかだ鍼灸院に、
「めまいがつらくて1か月ほど仕事を休んでいた」という女性が来院されたことがあります。
耳鼻科でメニエール病と診断されて薬を服用していたけれど改善しないとのことでした。
めまいを起こす方は几帳面・真面目な方が多く、この女性もそのように感じました。
メニエール病はストレスとも関係があると言われているため、それらが体に影響していたと考えられます。
結果として、この女性は1か月ほど鍼灸を続けるうちに耳鳴り・めまいが改善し、仕事に復帰することができました。
また、突発性難聴(難聴・耳鳴り・めまいが主な症状)にも鍼灸は有効なことがあります。
ただし、突発性難聴は早期の施術が大切です。
2週間以上経過していたり、高齢であったり、糖尿病がある場合は回復しにくい傾向があります。
突発性難聴が疑われる場合はまず耳鼻科へ行き、鍼灸を併用することで回復しやすくなることがあります。
耳鼻科疾患の例
良性発作性頭位めまい症・メニエール病・突発性難聴・低音障害型感音難聴・前庭神経炎・花粉症
5. 泌尿器疾患

治りにくい膀胱炎には、
「検査で細菌が検出されない膀胱炎」「慢性的に下腹部の不快感が続く膀胱炎」「季節(暑さ・寒さ)の変化で発症する膀胱炎」などがあります。
これらの改善には、免疫力を高めたり血行を良くしたりすることが有効なことがあります。
膀胱炎は細菌感染をきっかけに発症するため、免疫力の低下が下地にある場合が多いからです。
検査で細菌感染が見られない場合でも、ウイルスの影響で検査に引っかからないケースもあります。
冷え性の方は血液が滞りやすく細菌の繁殖を助長することがあるため、血行改善も大切です。
80代の女性が来院されたことがあります。
朝トイレに行くと排尿痛があり、かかりつけの内科が休診だったため「鍼灸で何とかならないか」と来られました。
その日は鍼灸で体を整え、自宅でもお灸をしていただきました。
翌日には「排尿痛がなくなった」とのことでした。
後日、内科で診てもらったところ「尿はきれいだよ」と言われたそうです。
(※すべての膀胱炎がすぐに改善するわけではありません)
泌尿器疾患の例
膀胱炎・尿道炎・尿閉・前立腺肥大 など
WHO(世界保健機関)において鍼灸療法の適応とされた疾患

WHOで鍼灸療法の適応として紹介されている疾患には、以下のようなものがあります。
神経系疾患
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
運動器系疾患
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折・打撲・むち打ち・捻挫)
循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患
胃腸炎(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)・胆のう炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝分泌系疾患
バセドウ病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
生殖・泌尿器疾患
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
婦人科系疾患
更年期障害・乳腺炎・帯下・生理痛・月経不順・冷え性・不妊
耳鼻科系疾患
中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエール病・鼻出血・鼻炎・副鼻腔炎・咽頭炎・扁桃炎
眼科系疾患
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
小児科疾患
小児神経症(夜泣き・かんむし・消化不良・偏食・食欲不振・不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
よくある質問(FAQ)

病院で「異常なし」と言われましたが、鍼灸は受けられますか?
検査で異常が見つからない場合でも、鍼灸の対象となることがあります。
東洋医学では「未病(みびょう)」という概念があり、病気ではないけれど健康でもない状態にアプローチすることを得意としています。
体内のアンバランスを整えることで、体質の改善や自然治癒力の向上が期待できることがあります。
鍼灸はどのくらい通えば効果が出ますか?
症状の種類や体の状態によって異なります。
一概に「〇回で改善する」とは言えませんが、急性の症状は比較的早く変化が出ることがあり、慢性的な不調は継続して施術することで改善していくケースが多い印象です。
逆子に鍼灸は有効ですか?
鍼灸が逆子に効果を発揮することがあります。
ただし、妊娠9か月になると赤ちゃんが大きくなり正常位置に戻すことが難しくなります。
なるべく6〜8か月以内に対処することが望ましいです。
突発性難聴に鍼灸は効きますか?
突発性難聴では、耳鼻科での治療を優先したうえで、鍼灸を併用する方もいらっしゃいます。
早期の対応が大切で、2週間以上経過していたり、高齢であったり、糖尿病がある場合は回復しにくい傾向があります。
自律神経の乱れにも鍼灸は対応していますか?
はい。埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、自律神経の乱れが関係する不調(めまい・動悸・頭痛・不眠・食欲不振など)に対して、脈診・腹診をもとに体の状態を確認しながら施術を行っています。
詳しくは自律神経失調症のページをご覧ください。
来院をご希望の方は、ご予約の流れを以下のページでご確認いただけます。


