【記事改定日】2026年5月7日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
「妊活中、食事で何を意識すればいいの?」
「東洋医学では、 妊娠しやすい体づくりに何が必要とされているの?」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
東洋医学では、妊娠しやすい体づくりをするのに、
血を補う『養血』・ 血の巡りを良くする『活血』・ 腎を補う『補腎』の3つが大切だと考えられています。
このページでは、その中でも妊活と深く関わる 『補腎』——腎を補う食材について詳しくご紹介します。
東洋医学でいう『腎』とは

この中の『補腎』の「腎」についてですが、東洋医学では腎は『生命力の源』と考えられており、成長・発育・生殖と関係があります。
※ここでいう「腎」は、東洋医学独自の概念です。西洋医学の腎臓とは異なります。
女性は、7の倍数で体が変化すると考えられています。
- 7歳:歯が生え変わる
- 14歳:初潮を迎える(月経が始まる)
- 21歳:身長の伸びが止まり、体ができあがる
- 28歳:体がもっとも充実する
- 35歳:顔がやつれ、髪が抜けやすくなる
- 42歳:白髪が気になる
- 49歳:閉経が訪れる(月経がなくなる)
これらはすべて、『腎』の盛衰を表していると考えられています。
14歳で腎気が旺盛となって月経が始まり、28歳が最も身体の充実している時期で、49歳で腎気が衰えて月経がなくなることが古典に記されています。
このことから、東洋医学では腎の弱りが妊娠しにくさと関係すると考えられています。
腎について詳しく知りたい方は、「東洋医学で考える腎の働き」をご覧ください。
腎が弱っている人の特徴

妊活中の方は、以下の特徴がないか確認してみてください。
- 下腹部が軟弱になっている
- 足腰が冷えやすい
- 耳鳴りがする
- 不安が強い
- 若白髪が多い・髪の毛が細くなった
- 根気が続かない
- むくみ・頻尿
- 元気が出ない
- 冬になる(寒い)と体調が悪くなりやすい
黒色の補腎食材
腎を補う食材には、黒い食べ物が良いとされています。黒ゴマ・黒きくらげ・黒豆・黒米・ひじき・昆布・牡蠣などが代表的です。
【補腎1】黒ゴマ

肝や腎にアプローチして『精』や『血』を補うとされており、若白髪・めまい・かすみ目などが気になる方に用いられることがあります。
その他、耳鳴り・足腰のだるさ・便秘が気になる方にもお勧めの食材です。
黒ゴマは消化しにくいため、すりつぶして食べると良いでしょう。
五臓の『肝』・『腎』に作用します。
【補腎2】黒きくらげ

気血を補うとされており、貧血傾向・疲労感・顔色の悪さが気になる方に用いられることがあります。
感情をコントロールする肝を調整する方向に働くとされ、イライラが気になる方にも用いられることがあります。
五臓の『肝』・『腎』に作用します。
【補腎3】黒米

肌や髪、足腰の衰えなどが気になる方にお勧めの食材です。
脾の働きを助けるとされており、栄養が体に行き渡りやすくなると考えられています。
五臓の『脾』・『腎』に作用します。
【補腎4】ひじき

血を補って巡りを整えるとされています。
肌や髪が気になる方、貧血・抜け毛が気になる方に用いられることがあります。
また、肝の機能を調整する方向に働くとされ、気持ちを落ち着けたい方にもお勧めです。
五臓の『肝』・『腎』に作用します。
【補腎5】昆布

腎に作用し余分な水分をさばく方向に働くとされており、むくみが気になる方に用いられることがあります。
体の熱を冷ます方向に働くとも考えられており、ほてりが気になる方にもお勧めです。
※甲状腺の病気がある方や、医師からヨウ素制限を受けている方は摂取量にご注意ください。
五臓の『腎』に作用します。
【補腎6】牡蠣

『海のミルク』といわれるほど栄養価が高い食材です。
体に潤いを与えて血を補うとされており、気分の落ち込み・不安感・不眠が気になる方、ストレスや過労による疲労感が気になる方に用いられることがあります。
妊娠を望む方や更年期の方にも取り入れやすい食材です。
※妊活中は食中毒のリスクを避けるため、しっかり加熱したものを選ぶことをお勧めします。
五臓の『肝』・『心』・『腎』に作用します。
その他の補腎食材
【補腎7】くるみ

腎を補うとされており、頻尿・足腰の弱り・耳鳴りが気になる方に用いられることがあります。
また、肺の働きを助けるとも考えられており、慢性の咳が気になる方にもお勧めの食材です。
五臓の『肺』・『腎』に作用します。
【補腎8】栗(くり)

栗は、五果(五臓を補う果物)の1つです。
体を温めて腎の機能を助けるとされており、胃腸を元気にする・骨を強くする・足腰を支えるといった目的で用いられることがあります。
五臓の『脾』・『腎』に作用します。
【補腎9】山芋(やまいも)

体のエネルギーである『気』と、潤いである『陰』を同時に補うことができるとされています。
脾の働きを助けるため、食欲がない・食べるとお腹が張る・下痢をしやすい・元気が出ないという方にお勧めです。
また、腎に働きかけ潤いを補うとされており、足腰のだるさ・泌尿器の不調・耳鳴り、特にのぼせやほてりなど潤い不足が気になる方にもお勧めです。
肺の働きも助けるとされており、慢性的な咳や喘息が気になる方にもお勧めの食材です。
五臓の『脾』・『肺』・『腎』に作用します。
【補腎10】豚肉

豚肉は、五畜(五臓を補う肉)の1つで、腎を元気にするとされています。
体のエネルギーや潤いを補う働きがあるとも考えられており、元気が出ない時・乾燥が気になる時・空咳が出る時にお勧めです。
五臓の『脾』・『腎』に作用します。
【補腎11】海老(えび)

全身の陽気の源である『腎陽』を補うとされており、冷えが気になる方に用いられることがあります。
むくみ・足腰の弱り・頻尿が気になる方にもお勧めの食材です。
また、肝の働きにも関係するとされており、めまい・ふらつきが気になる方にも用いられることがあります。
※のぼせが強い方や皮膚トラブルが出やすい方は食べ過ぎにご注意ください。
甲殻類アレルギーがある方は避けてください。
五臓の『肝』・『腎』に作用します。
よくある質問
腎が弱っているかどうかは自分でわかりますか?
上に挙げた特徴(足腰の冷え・耳鳴り・若白髪・むくみ・頻尿・不安感など)が複数当てはまる場合は、腎の弱りが疑われます。
ただし、これらの症状は腎虚以外の原因で起こることもあります。当院では、脈診・腹診・ツボの反応を確認しながら、その方の体の状態を見ていきます。
黒色以外の食材でも補腎できますか?
はい。くるみ・栗・山芋・豚肉・海老なども補腎に役立つとされている食材です。
黒色食材と組み合わせて日常的に取り入れるとよいでしょう。
鍼灸治療と食事療法を組み合わせることはできますか?
はい。鍼灸治療に加え、食事に気を付けていただくとより効果的です。
補腎食材を食べていれば妊活は十分ですか?
東洋医学では、妊娠しやすい体づくりに「養血・活血・補腎」の3つのアプローチが必要と考えられています。
食事はその一つで、鍼灸治療と組み合わせながら体を整えていくことが大切です。
まとめ

- 東洋医学では、妊活に必要な体づくりとして「養血・活血・補腎」の3つが重要とされています。
- 腎は東洋医学独自の概念で、生殖や発育の源となる臓と考えられています。
- 腎の弱りが妊娠しにくさと関係すると考えられているため、妊活中は腎を補う食材を意識することが大切です。
- 黒色食材(黒ゴマ・黒きくらげ・黒米・ひじき・昆布・牡蠣など)を中心に、くるみ・栗・山芋・豚肉・海老も補腎に役立つとされています。
- 特定の食材に偏らず、日常的にバランスよく取り入れることが大切です。
来院をご希望の方は、ご予約の流れを以下のページでご確認いただけます。

