【記事改定日】2026年5月1日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
筋トレを始めてから、なぜか体調を崩しやすくなった。
運動をしているはずなのに、喉に違和感が出たり、風邪を引きやすくなった。
そのような経験はありませんか?
これは医学的に「筋トレをすると風邪を引く」と断定する話ではありません。
ただ、私(鍼灸師)自身の体験を東洋医学の視点から振り返ると、ひとつ思い当たることがあります。
今回は、私が経験した「筋トレと風邪」の関係について、東洋医学の経絡の考え方からお伝えします。
筋トレをすると、なぜか体調を崩していた

20代前半の頃、勤めていた整骨院で昼休みにトレーニングをしていた時期がありました。
目的は、院長に腕相撲で勝つこと。 そして、太い腕と胸板を手に入れることでした。
院長が学生時代に使っていたバーベルを整骨院に持ってきてくれたので、それを使って腕を鍛えていました。
しかし、ふと気づいたことがありました。
バーベルを使ってアームカールをすると、喉に違和感を覚えることが多かったのです。
そして、このような筋トレをするようになってから、よく風邪を引くようになっていました。
当時は、なぜ腕を鍛えると調子が悪くなるのか分かりませんでした。
東洋医学で考えると、理由が見えてきた

東洋医学で考えると、この不思議な現象に説明がつきます。
上腕二頭筋、いわゆる力こぶの筋肉には、手の太陰肺経(てのたいいんはいけい)と呼ばれる経絡が通っています。
この経絡は、名前の通り「肺」と関係します。
東洋医学でいう肺は、西洋医学の肺だけを指すものではありません。 呼吸器や皮膚、外からの邪気を防ぐ働きなどとも関係すると考えます。
つまり、私が一生懸命に上腕二頭筋を鍛えていた場所は、東洋医学でいう肺経と関係する部分だったのです。
肺経に負担がかかっていたのかもしれない

私が腕を太くしようとして、上腕二頭筋を一生懸命に鍛える。
すると、肺経を通じて肺、つまり呼吸器に負担がかかっていたのかもしれません。
その影響が喉に及び、喉の違和感や風邪を引きやすい状態につながっていたと考えられます。
もちろん、これは私自身の体験を東洋医学の視点から振り返ったものです。
すべての方に当てはまるわけではありません。
もともと肺、呼吸器が丈夫な方であれば、それほど問題は出なかったと思います。
しかし、呼吸器が弱い体質の方は、こうした影響が出やすいことがあります。
反対に、呼吸器が弱いと肺経に症状が出ることもある

これとは反対に、呼吸器系が弱い方は、手の太陰肺経の流れる部位に問題が出ることがあります。
たとえば、
- 親指の腱鞘炎
- ばね指
- 親指側の手首の違和感
などです。
肺経に負担をかけることで風邪を引いたり、反対に肺、つまり呼吸器が弱いために肺経上に症状が現れたりすることがあります。
もちろん、腱鞘炎やばね指の原因がすべて肺経にあるという意味ではありません。
ただ、東洋医学では、症状が出ている場所だけでなく、その部位を通る経絡や五臓との関係も合わせて考えます。
偏ったトレーニングが原因になることもある

人間の体には、五臓六腑に関係する経絡が張り巡らされています。
筋トレそのものが悪いわけではありません。
ただ、同じ部位ばかりを偏って鍛えると、体質によっては不調につながることがあります。
筋トレをするようになってから、
- 喉に違和感が出る
- 風邪を引きやすくなった
という方は、偏ったトレーニングが体に負担をかけているのかもしれません。
東洋医学では、筋肉だけでなく、経絡や体全体のバランスも合わせて見ていきます。
よくある質問
Q. 筋トレをすると必ず風邪を引きやすくなるのですか?
いいえ、必ずそうなるわけではありません。
今回の話は、私自身の体験を東洋医学の視点から振り返ったものです。
体質やトレーニング内容によって、体に出る反応は異なります。
Q. アームカール以外の筋トレでも同じことが起きますか?
必ず同じことが起きるわけではありません。
ただ、東洋医学では、それぞれの筋肉や部位に関係する経絡があります。同じ場所ばかりを強く鍛えることで、その経絡に負担がかかる可能性はあります。
Q. 親指の腱鞘炎やばね指も肺経と関係しますか?
すべてが肺経と関係するわけではありません。
ただ、親指側には手の太陰肺経の流れが関係するため、東洋医学では呼吸器の弱さや肺経の反応も合わせて確認することがあります。

