【記事改定日】令和8年5月21日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
当院では、あまり熱いお灸をしていません。
そのため、患者さんから「熱い方が効きそうに感じるんだけど……」と言われることがあります。
では、お灸は熱くないと意味がないのでしょうか。私(鍼灸師)が経験した3つの例をもとにお伝えします。
例でみるお灸の変化
例① 手のこわばり

以前、手のこわばりを訴えて来院された方に、昔ながらのもぐさを捻って作る「透熱灸」を行いました。
透熱灸は皮膚の上でもぐさを燃やすため、黒子(ほくろ)程度の火傷ができたり、水ぶくれになることがあります。
施術中は一瞬「チクッ」という熱さを感じます。
何度か熱さに耐えてもらってから手の動きを確認すると、こわばりが楽になっていました。
ただ、何度も熱いお灸をするのはつらいとのことでしたので、途中から「8分灸」に変更しました。
8分灸とは、
もぐさを全部燃やさずに8分目で取り除くお灸です。
少し温かく感じる程度、あるいはほとんど何も感じない熱さです。
お灸のやり方を変えても、手のこわばりが楽な状態は続いていました。
例② ぎっくり腰後の腰痛

1週間前にぎっくり腰をしてから腰の痛みが続いているという方が来院されました。
へっぴり腰の状態で、腰を伸ばすことができていませんでした。
ぎっくり腰に関係するツボに圧痛が出ていたため、お灸を選択しました。
初めてお灸を受ける方でしたので、熱さをほとんど感じない「8分灸」を21壮行いました。
帰る頃には、腰を伸ばして歩けるようになっていました。
例③ 採卵後の下腹部痛

不妊治療で採卵後から、左の下腹部が痛いと訴えて来院された方がいました。
火傷の痕が残らないよう、また生殖器系の炎症を考慮して、熱くないお灸で対応しました。施術中にお腹の痛みが楽になっていました。
お灸は熱くなくても変化が出ることがあります

3つの例からわかるように、お灸は必ずしも熱くなくても体に変化が出ることがあります。
ただし、熱いお灸(透熱灸)には独自の作用があります。
皮膚に小さな火傷をつくることで白血球が増え、免疫力を高める作用があると言われています。また、体質改善にも良いと言われています。
この作用は、熱くないお灸では得られないかもしれません。
お灸の方法は、症状や体質によって選択が変わります。当院でも、その方の状態を確認しながらお灸の種類を選んでいます。
当院での施術をご希望の方は、以下のページをご確認ください。
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