【記事改定日】2026年7月11日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
足三里の効能

足三里(あしさんり)は、古くから健康維持のツボとして知られており、以下のような場面で用いられることがあります。
解説
①胃の働きを整える理由

足三里は、足の陽明胃経(ようめいいけい)と呼ばれる経絡上(気血の流れる道)にあります。
そして、その名前の由来通り、このツボは胃とつながっています。
そのため、足三里を刺激(鍼・お灸・指圧)すると、経絡の流れが良くなり、胃の働きが整いやすくなると考えられています。(ただし、胃酸過多による胃の不調には合わない場合があります。)
食欲が出にくい方におすすめのツボです。
図解鍼灸実用経穴学(医道の日本)には、次のように記されています。
まず第一に消化器病一般に効く。胃腸、肝、胆、膵の諸病
検査をしても異常がない、胃もたれ・食欲不振・みぞおちの痛みでお困りの方は、「機能性ディスペプシアと鍼灸治療」もご覧ください。
②膝に溜まった水が楽になる理由

加齢による変形性膝関節症では、炎症を起こし膝に水が溜まる(腫れる)ことがあります。
この経絡の流れを良くすることで、溜まった水が押し流され、腫れが楽になることがあると言われています。
実際に、足三里へお灸を続けることで膝の腫れが楽になった方を、これまで何度も診てきました。
根気よく続けることが大切です。
超旋刺と臨床のツボ(医道の日本社)にも、次のように記されています。
(主治)膝関節疾患で水の溜まるもの
膝関節痛について詳しく知りたい方は、「変形性膝関節症と鍼灸治療」をご覧ください。
③鼻づまりが楽になる理由

足の陽明胃経は、鼻から始まり足に向かっています。
そのため、足三里を刺激することで鼻粘膜の鬱血が和らぎ、鼻づまりが楽になることがあります。
鍼灸真髄(医道の日本)にも、次のように記されています。
これに灸すると、鼻の塞がったのが通り、鼻の穴の乾くのがなほり、眼がハッキリし、頭痛がなほる
④目の充血が楽になる理由

足三里には、のぼせを引き下げる働きがあると言われています。
そのため、のぼせによる目の充血が楽になることがあります。
藤本連風経穴解説(メディカルユーコン)には、次のように記されています。
陽明の胃土から出た熱が上焦を襲って、目の充血が起こったりするのにも非常に効果があります。
⑤背中の張りが楽になる理由

胃腸の弱い方の中には、「背中が張って重苦しい」と言われる方がいます。
特に、腰よりも少し上の背中(胃兪)付近が硬くなっている方は、胃の影響が考えられます。
この「胃兪」は胃とつながりのあるツボなので、足三里で胃腸の調子が整うと、背中の張りも自然と緩んでくることがあります。
その他(坐骨神経痛・神経症・中風の予防)
坐骨神経痛は、太ももで神経が分かれて足三里のある脛(すね)を通ります。
そのため、坐骨神経痛がある方は、痛みや痺れを生じることがあります。
ここに鍼・灸・指圧などを行うことで、痛みや痺れが緩和されることがあります。
坐骨神経痛について詳しく知りたい方は、「坐骨神経痛と鍼灸治療」をご覧ください。
鍼灸治療基礎学(医道の日本)には、次のように記されています。
三里は、下陵・鬼邪・足三里等の別名がある。鬼邪は十三鬼穴の一に当たり、精神病の場合に用いられている
中風を予防する理由は、ツボの性質と関係があります。
足三里には逆気を引き下げる働きがあると言われており、中風の予防に用いられ、養生の灸として古くから重んじられてきました。
足三里の見つけ方

足三里は、外膝眼(がいしつがん)から下3寸の位置にあります。
ちなみに、外膝眼は膝蓋靭帯の外側の凹みです。
ここから、人差し指から小指を揃えた幅(3寸)の下に足三里があります。
埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、脈診・腹診・ツボの反応から不調の原因を見つけて、体を整える施術を行っております。
- 胃もたれ・食欲不振・食後の膨満感・胃痛
- 水が溜まってしまう膝関節痛
- 坐骨神経痛
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