【記事改定日】2026年7月10日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
手の湿疹(皮膚炎)とツボ

以前、おかだ鍼灸院に来られた方で、庭の草むしりをしていたら、手がかゆくなり・赤くなってしまった方がいました。
そのご婦人によると、「皮膚科で塗り薬を貰ってつけているけれど、なかなか良くならない」と、言っていました。
そこで、湿疹(皮膚炎)に鍼灸で良くなることがあると伝え、手の湿疹の施術をしたことがあります。
その方には、草むしりをする時は素手で行わず手袋をするように伝えて、「肩」と「足」のツボに皮内鍼(ひないしん)と呼ばれる鍼(はり)を行いました。
そのような鍼を続けていくうちに、手の湿疹(皮膚炎)も落ち着いていきました。
この湿疹(皮膚炎)に対して行ったツボですが、最近また同じような理由で、手のかゆみのご相談を受けました。
そこで、この記事を読んでいるあなたにも『湿疹を改善するツボ』について、ご紹介したいと思います。
湿疹(皮膚炎)にお勧めのツボをご紹介
①築賓(ちくひん)

築賓(ちくひん)と呼ばれるツボは、足の少陰腎経と呼ばれる経絡上にあるツボです。
腎経と呼ばれるくらいですから、「築賓」と「腎臓」は、経絡を介してつながっています。
ちなみに、経絡というのは「気」や「血」が流れる川のようなものです。
そして、築賓に『はり』や『灸』などの刺激を与えると、この経絡を流れる気・血の流れが良くなることがあります。
その結果、「腎」の働きに良い影響を与えると考えられます。
もともと腎臓は、尿を作って体の老廃物を排泄するところですから、解毒の作用が高まることが期待できます。
また、腎臓の上に乗っている「副腎」にも良い影響を与えると考えられ、副腎皮質から「ステロイドホルモン」の分泌が促されることがあります。
このステロイドホルモンは、「抗炎症作用」のあるホルモンです。
そのため、湿疹による皮膚の炎症を鎮める働きが期待できます。
②肩髃(けんぐう)

肩髃(けんぐう)は、手の陽明大腸経と呼ばれる経絡上にあるツボです。
大腸経と呼ばれるくらいですから、「大腸」と「肩髃」は、経絡を介してつながっています。
大腸は、食べた物の「カス」を大便として出してくれるところなので、体の毒素を排出してくれる働きがあります。
だから、腸の働きの悪い便秘の方は、皮膚のトラブルを起こしやすいと言われています。
この肩髃は、大腸の働きに影響を与えるので、皮膚トラブルのケアに役立つことがあります。
主治:皮膚病を主る。湿疹、蕁麻疹、汗疹などの極めて表層の皮膚病に用いられる
引用:鍼灸治療基礎学(医道の日本社)
他に特徴的なのは「肩髃」である。腎経の「築賓」と併用して皮膚疾患に用いられることが多い。ただし、この「肩髃」は二十一壮の多壮灸とし、「築賓」には七壮の施灸をする。
引用:鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
ツボの探し方
築賓(ちくひん)の場合

まず、足首の内側を見てください。
足首の内側には、内果(ないか)と呼ばれる骨の出っ張りがあります。
この内果とアキレス腱の間に太谿(たいけい)と呼ばれるツボがあります。この太谿から上方に5寸上がった所に『築賓』があります。
ちなみに、人差し指から小指の幅が3寸です。そして、人差し指から薬指の幅が2寸になります。
5寸という事は、この二つの長さを足した長さになります。
築賓(ちくひん)取穴部位:太谿穴の上5寸で、腓腹筋下端部とヒラメ筋の間に取る(引用P136)
参考文献:経絡経穴概論(医道の日本社)
肩髃(けんぐう)の場合

肩髃(けんぐう)は、肩関節上にあります。
ツボの探し方としては、手のひらを太ももの横につけて真っすぐに立ちます。
そして、その姿勢のまま腕を横に90度上げていきます。
そうすると、肩上部に二つの凹みが現れます。
その凹みの前方が『肩髃』になります。
肩髃(けんぐう)取穴部位:肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間に取る(引用P38)
参考文献:経絡経穴概論(医道の日本社)
お灸の『やり方』と『タイミング』
やり方
一番効果が期待できるやり方は、もぐさを米粒程に捻って行う「透熱灸(とうねつきゅう)」です。

これは、プロの鍼灸師が行うお灸と同じです。
70代ぐらいの方に聞くと、子供の時におじいさん・おばあさんがやっていたと聞きます。
昔は、このお灸ができる方が結構いたようです。
もし、この方法をやってみたい方は、下記の『透熱灸のやり方』をご覧ください。
本格的なお灸と違って効果は穏やかですが、他の『お灸』もあります。
それは、『台座灸』と呼ばれるお灸です。

これは、ドラッグストアーで売っています。
台座が厚紙でできているので、もぐさの火が直接ヒフに付きません。そのため、温かくて気持ちの良いタイプです。
また、厚紙に両面テープが付いているので、皮膚に着くので扱いやすいです。
初めての方は、こちらのタイプのお灸を使うと良いでしょう。
一日に、2〜3個行います。
タイミング
お灸を行うタイミングは、朝でも・昼でも・夜でも構いません。
ただ、「お風呂に入った後」や「運動直後」は避けましょう。
1時間ぐらい間隔をあけて、落ち着いてから行ってください。
まとめ
湿疹(皮膚炎)は、皮膚科での治療と並行して、鍼灸によるツボへのアプローチでケアできることがあります。
今回ご紹介した「築賓」「肩髃」は、ご自宅でのお灸のセルフケアにも取り入れやすいツボです。
埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、久喜市・加須市・杉戸町・五霞町など近隣地域からもお越しになっています。
施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。


