【記事改定日】2026.7.25
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
陰陵泉(いんりょうせん)とは?

陰陵泉(いんりょうせん)は、足の太陰脾経(あしのたいいんひけい)と呼ばれる経絡上にあるツボです。
この経絡は、五臓六腑の中の『脾』につながっています。
※ここでいう『脾』は、
東洋医学における機能概念であり、西洋医学でいう解剖学的な臓器(脾臓)とは異なる考え方です。
陰陵泉の効能

- 食欲不振・胃もたれ・お腹の張り
- 下痢・軟便
- 胃内停水
- 痰
- 膝関節の腫れや痛み
- めまい
- 糖尿病
陰陵泉の解説

脾の働きは、飲食物を消化・吸収し、『栄養』や『水分』を運ぶことだと考えられています。
この働きが悪くなると、
食欲不振・胃もたれ・膨満感・吐き気・下痢・軟便などにつながることがあります。
また、腹部を指腹で叩くとポチャポチャと音が聞こえてくることがあります(胃内停水)。
陰陵泉を使用し脾の働きを整えると、これらの症状の改善につながることがあります。
お腹の不調が気になる方は、「機能性ディスペプシアと鍼灸治療」をご覧ください。

脾は、変形性膝関節症などによって関節に溜まった『水』、呼吸器の気管・気管支の粘膜の炎症によってできた『痰』などにも関係していると考えられています。
脾の働きを改善すると、膝に溜まった水(関節の腫れ)や痰の解消につながることがあります。
膝痛について詳しく知りたい方は、「変形性膝関節症と鍼灸治療」をご覧ください。

『陰陵泉』と『肩井(けんせい)』を指で押して圧痛がある場合、骨盤うっ血があると考えられることがあります。
骨盤うっ血があると、めまいを引き起こすことがあるため、陰陵泉と心包経のツボを併用すると、骨盤の血流が良くなり、めまいの改善につながることがあります。
骨盤内鬱血症候群とは、血管運動神経の失調により、骨盤内鬱血が起こり、仙骨子宮靭帯などの骨盤結合組織の増生、硬化をきたす結果生じる腰痛、下腹部痛などを主症状とする症候群である。しばしば頭痛・肩こり・めまいなどの全身的な不定愁訴を伴う。
参考文献:産婦人科臨床のために(久慈直太朗)
めまいについて詳しく知りたい方は、「めまいと鍼灸治療」をご覧ください。

東洋医学で考える『脾』は、
西洋医学的には、『膵臓にあたるのでは?』と考えられていて、血糖値の高い方に使用すると血糖値が下がることがあります。
陰陵泉の見つけ方

脛骨の内側に指腹を当て、膝に向かって擦り上げていきます。
そして、膝の近くになると骨がカーブしています。
そのカーブをしているところにできている、ガム状に硬いコリが、陰陵泉になります。
参考文献
- 中医学ってなんだろう(東洋学術出版)
- 中医学の仕組み分かる基礎講義(医道の日本社)
- よくわかる長野式治療(医道の日本社)
- 超旋刺と臨床のツボ
- 経絡経穴辞典(東洋学術出版)
- 図解鍼灸実用経穴学(医道の日本社)


