【記事改定日】2026.7.27
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
顔面神経麻痺の原因は?

顔面神経麻痺が起きる原因には、
- ベル麻痺(約60%)
- ハント症候群(約10〜15%)
- その他(耳・腫瘍・外傷・糖尿病・多発硬化症・ギランバレー症候群)
があると言われています。
参考文献:病気が見える13 耳鼻咽喉科
鍼灸院に主に来られている方は、「ベル麻痺」と「ハント症候群」です。
ベル麻痺は、
以前は特発性(原因不明)と言われていましたが、近年は「単純ヘルペスウイルス1型」の再活性化によって、顔面神経に炎症・むくみ・圧迫が起きて発症すると考えられています。
【参考サイト】▶顔面神経麻痺(済生会)
ハント症候群は、
子供の時にかかった水ぼうそう「水痘・帯状疱疹ウイルス」の再活性化によって、顔面神経に炎症・むくみ・圧迫が起き発症します。
このように「ウイルス」が再活性化する誘因は、過労・ストレス・病気によって免疫力が低下した時です。
顔面神経麻痺では、どのツボを使えば良い?
私(鍼灸師)の場合は、
主に「足三里(あしさんり)」や「合谷(ごうこく)」を使う事が多いです。
足三里は、脛(すね)にあります。
合谷は、手にあるツボですが、顔面神経麻痺に良い影響があると考えられています。
その理由は、足三里が足の陽明胃経(ようめいいけい)と呼ばれる経絡上にあり、この経絡は顔を通っているからです。

その為、足三里に「鍼」または「灸」をすると、気血の流れが良くなり顔面の血流が促されると考えられています。
次に合谷です。
このツボは、手の陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)と呼ばれる経絡上にあり、こちらも顔面を通っています。

その為、合谷に「鍼」または「灸」をすると、顔面の血流を促し筋肉に栄養を届けやすくなると考えられています。
東洋学の文献にも、次のように書かれています。
顔面神経麻痺の原因を中医学では、風邪にあたって顔面の経絡が不通になって発病し、そのために栄養が行きわたらず、顔面筋も動けなくなると考えている。
治療には必ず、「合谷」を取る。
――東洋医学見聞録(中巻)/医道の日本社
また、東洋医学では「面目は合谷に収む」と言われており、目・顔の症状に用いられるツボの一つです。
更に、合谷は喉の「扁桃」の炎症を鎮める働きもあると考えられています。
扁桃(口蓋扁桃)は、常にウイルス・細菌に接している場所なので、戦闘状態になっている「リンパ球」が存在します。
ストレス・過労などにより扁桃の炎症が強くなると、活性化されたリンパ球が「炎症性物質(サイトカイン)」や「抗体」を産生し、それらが血流にのって体に起きている小さな火事(顔面神経の炎症)を大きくしてしまうことがあります。
合谷は、そのような働きを防ぐサポートをするツボと考えられています。
「足三里」と「合谷」のツボの探し方
顔面神経麻痺にお勧めのツボ(足三里)

足三里は、外膝眼(がいしつがん)から下3寸の位置にあります。
ちなみに、外膝眼は膝蓋靭帯の外側の凹みです。
【参考】3寸は、人差し指から小指までの幅が目安です。
足三里について詳しく知りたい方は、「足三里の効能と場所」をご覧ください。
顔面神経麻痺にお勧めのツボ(合谷)

合谷は、親指と人差し指の間にあります。
特に、人差し指寄りを押してみて、圧痛やコリを感じる場所、そこが「合谷」です。
合谷について詳しく知りたい方は、「合谷の効能と探し方」をご覧ください。
お灸のやり方

顔面神経麻痺では、
足三里や合谷を指で押してマッサージするのも良いですが、「台座灸」もお勧めです。
台座灸のやり方は、
- シートから台座灸を剥がし、指腹に貼り付けます。
- 台座灸にライターで火を付けて「ツボ」に貼り付けます。
台座灸の良い点・悪い点、どのタイプの台座灸を選べば良いか、お灸を行なうタイミングなどを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
顔面神経麻痺でお困りの方へ

埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、東洋医学を駆使し「脈診」・「腹診」・「ツボ」などの反応から、
- 血流
- 免疫
- 自律神経
- ホルモン
- 五臓(肝・心・脾・肺・腎)の不調
- 結合組織の硬化
などの状態を確認しながら、顔面神経麻痺の回復をサポートしています。
※東洋医学でいう「五臓」は、西洋医学における解剖学的な臓器とは異なる概念です。
埼玉県幸手市を中心に、久喜市・加須市・杉戸町・五霞町からも多くの方にご来院いただいています。
施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。
また、顔面神経麻痺について詳しく知りたい方は、「顔面神経麻痺(ベル麻痺)の鍼灸治療」をご覧ください。


