【記事改定日】2026.8.7
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
下痢を引き起こす「脾臓」の弱り

以前、当院に来られた男性は、子供の頃からお腹が弱く「下痢」や「軟便」になりやすいという症状をお持ちの方でした。
そのようなお悩みを抱えているので、普段から腹巻をして、お腹を保護しているそうです。
また、その男性の両親も「お腹が弱い体質」との事でした。
もしかすると、下痢になりやすいのは、親の体質を受け継いでしまったのかも知れません。
おかだ鍼灸院では、必ず鍼灸治療を行う前に「腹診(ふくしん)」と呼ばれる技術で、お腹を指腹で押していきます。
これにより、その方の不調の原因がわかります。
その男性のお腹を手指で軽く押して行くと、お臍(へそ)周りが硬くなっていて痛みを伴いました。

これは、東洋医学の「脾臓」の弱りを表します。
簡単に説明すると、
お臍周りを指腹で軽く押して痛みを感じる時は、「脾臓の弱り=消化器系が弱っている」と、いう事です。
また、このようにお臍(へそ)の周りが硬くなっている方は、思い悩んでいる方が多いです。
これは、東洋医学の五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)と呼ばれる表に書かれています。

その他、甘い物を好む傾向があります。
話は、それてしまいましたが、この男性が「下痢」になりやすい原因は、「脾」の弱りという事です。
普段から、なるべく思い悩む事を減らし、甘い物や脂っこい物を食べ過ぎないように注意すると「脾臓」の働きが良くなります。
そうすると、「下痢」になりにくくなるという事です。
ただ、日常生活に気をつけるだけでは解消しにくいので、この男性にお伝えした「下痢を楽にするツボ」をあなたにもお伝えしたいと思います。
下痢を楽にするツボ:陰陵泉
ツボの説明

陰陵泉(いんりょうせん)は、膝の内側にあるツボです。
このツボは、足の太陰脾経(たいいんひけい)と呼ばれる経絡上にあり、名前の通り「脾臓」とつながっています。
そして、経絡(けいらく)というのは、気や血が流れる川のようなものです。
陰陵泉に「はり」や「お灸」をすると、経絡の気・血の流れが良くなり「脾臓」に良い影響を与えます。
その結果、消化器系の働きが良くなり「下痢」の改善につながることがあります。
その他、この陰陵泉に「はり」や「お灸」をすると、腸の「粘膜の炎症」を取る作用があるとも考えられます。
ただし、このツボを使う時は、お臍(へそ)を指で軽く押しただけで痛む時に効果を発揮しやすいです。
■陰陵泉(いんりょうせん)
[主治]消化器疾患、膝関節疾患で脾経の変動がある場合。下痢、のぼせを伴う時は適応となる。
引用:超旋刺と臨床のツボ(医道の日本社)
ツボの見つけ方

人間の足(下腿)は、脛骨(けいこつ)と呼ばれる骨と腓骨(ひこつ)と呼ばれる骨の2本があります。
陰陵泉(いんりょうせん)は、脛骨(けいこつ)と呼ばれる骨の膝近くにあります。
脛骨を見ると、膝近くが「カーブ」をしています。そこに、陰陵泉があります。
このツボを探すには、まず、あなたの指腹を脛骨の内側に当てます。そして、あまり圧を加えずに膝に向かって上がると、カーブの所で指が止まります。
そこが、ツボ(陰陵泉)になります。
ここに「台座灸」と呼ばれるお灸をすると良いでしょう。

■経穴概論(医道の日本社)
陰陵泉(いんりょうせん)
取穴部位:脛骨内側顆の下、脛骨内側の骨際、陥凹部に取る
お腹の不調で施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。
検査で異常がでない胃のもたれ・胃痛・吐き気などでお困りの方は、「機能性ディスペプシアと鍼灸治療」をご覧ください。
【参考図書】
- 経絡経穴概論(医道の日本社)
- 鍼灸臨床 わが三十年の軌跡

