五臓と体調不良の関係|東洋医学で解説

ベッドでうつ伏せになり施術を受ける女性 東洋医学の基本

【記事改定日】2026年5月29日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)

鍼灸院に来られる方の多くは、腰が痛ければ腰に、肩が痛ければ肩に鍼や灸をすると思っています。

ただ、鍼灸治療は痛み止めの注射とは違い、患部だけに行うものではありません。

東洋医学では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きを調整することで、健康を取り戻すお手伝いをしています。


五臓(肝・心・脾・肺・腎)とは

五臓を示したイラスト

東洋医学における五臓は、西洋医学の臓器とは意味が少し異なります。

それぞれが特定の生理機能・感情・身体部位と結びついており、そのバランスが崩れると体調不良として現れることがあります。

以下では、五臓それぞれの不調が実際の症状にどう関係するかを、症例を交えてご紹介します。


肝の不調と体調への影響

症例:めまいが続いていたCさん(30代男性)

椅子に座り額に手を当てる男性

仕事に熱心で、頑張りすぎる性格のCさんは、疲労が溜まったためか、めまいが1か月以上続いていました。脈診・腹診をすると、「肝」が弱っていることが分かりました。

東洋医学では、根気よく何かを続けていると、肝が弱ることがあります。肝には血を貯蔵し、必要なところへ血を届ける働きがあります。

その働きが低下すると血の巡りが悪くなり、めまいなどの不調につながることがあります。

この場合は、肝を元気にするツボを使うことで、めまいの改善につながることがあります。

■ 肝の不調に関連する症状

めまい・眼精疲労・こむら返り・顔面のピクピク痙攣・生理痛などの婦人科症状・不眠・爪が割れやすい・イライラ など

[参考:東洋医学で考える「肝」の働き]


心の不調と体調への影響

ベッドで胸に手を当てる女性

症例:更年期症状に悩むBさん(50代女性)

更年期に入ってから、動悸・のぼせ・不眠に悩んでいたBさん。

脈診・腹診をすると、「心」が強くなり、「腎」が弱っている状態でした。

東洋医学では、
心は動悸・のぼせ・不眠、腎は不安(恐れ)と関係があります。

また、心は「火」の性質、腎は「水」の性質を持つと考えます。

水が弱くなると火の勢いを抑えにくくなるため、腎を元気にするツボを使い、強くなっている心を落ち着かせることで、症状の改善につながることがあります。

自律神経との関わりが深い更年期症状については、自律神経失調症について もあわせてご覧ください。

■ 心の不調に関連する症状

動悸・のぼせ・不眠・汗・味覚の異常(味を感じにくい) など

[参考:東洋医学で考える心の働き]


脾の不調と体調への影響

症例:食欲不振・胃もたれに悩むAさん(40代女性)

顎に手を当て料理を見ている女性

仕事でイライラすることが多くなってから、食欲不振と胃もたれが起きるようになったAさん。

脈診・腹診をすると、肝が強くなり、脾が弱っている状態でした。

東洋医学では、肝はイライラ、脾は消化吸収と関係があります。

強くなっている肝を抑え、脾を元気にするツボを使うことで、食欲不振・胃もたれが改善に向かうことがあります。

■ 脾の不調に関連する症状

食欲減退・消化不良・無気力・倦怠感・出血(血尿・血便・不正出血)・味覚異常(おいしくない)・悩みやすい など

[参考:東洋医学で考える脾の働き]


肺の不調と体調への影響

症例:腱鞘炎・咳・鼻水に悩むEさん(60代女性)

右手を左手で触っている女性

3か月前から親指の腱鞘炎が続き、湿布を貼っても痛みが取れなかったEさん。

さらに1か月前にお孫さんから風邪をうつされ、咳と鼻水も続いていました。

脈診・腹診をすると、「肺」が弱っていることが分かりました。

肺の経絡(気・血の通り道)は親指を通過しており、呼吸器系とも関係があります。肺を元気にするツボを使うことで、腱鞘炎・咳・鼻水の改善につながることがあります。

■ 肺の不調に関連する症状

咳・鼻づまり・鼻水・喉の炎症・皮膚症状・朝の不調・動悸・梅核気・末端冷え性 など

[参考:東洋医学で考える肺の働き]


腎の不調と体調への影響

頬に手を当てうつむく女性

症例:不妊に悩むDさん(30代女性)

タイミング指導・人工授精・体外受精を試みてもうまくいかなかったDさん。

腰・臀部・足が冷えやすい体質でもありました。

脈診・腹診をすると、「腎」が弱っていることが分かりました。

東洋医学では、腎は生命力・生殖・発育などと関連があります。腎を元気にするツボを使うことで、妊娠しやすい体づくりのサポートにつながることがあります。

ただし、鍼灸は妊娠を保証するものではありません。体質や年齢、婦人科での検査結果によっても経過には個人差があります。

妊活における鍼灸のアプローチについては、不妊・妊活専門ページ もあわせてご覧ください。

■ 腎の不調に関連する症状

不妊症・発育不良・めまい・耳鳴り・難聴・浮腫・怖がる(不安)・下肢の冷え など

[参考:東洋医学で考える腎の働き]


まとめ

手を広げ立つ院長

このように、東洋医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)のバランスを調整することで、健康を取り戻すお手伝いをしています。

腰痛・肩こりといった局所の症状であっても、その背景に五臓の乱れが関係していることがあります。

埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、脈診・腹診によって五臓の状態を確認しながら施術を行っています。

施術をご希望の方は、「ご利用の流れ」をご覧ください。


おかだ鍼灸院 院長。

東洋医学(脈診・腹診)を中心に、
自律神経の不調や不妊(妊活)のお悩みを
26年以上臨床でサポートしています。

岡田匡史(国家資格・鍼灸師)をフォローする

タイトルとURLをコピーしました