鍼灸で自律神経の乱れを整える方法(ホルモン篇)

東洋医学の基本

【記事改定日】2026年6月4日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)

自律神経とホルモンは切り離せない関係

私たちの体は、
ストレスを受けると視床下部にある自律神経の中枢が興奮し、交感神経を通じて副腎髄質に作用が及びます。

その結果、アドレナリン・ノルアドレナリンというホルモンが分泌される仕組みがあります。

このホルモンが分泌されると、以下のような反応が現れることがあります。

  • 心臓がドキドキする(動悸・血圧上昇)
  • 瞳孔が開く(光が眩しく感じる)
  • 胃腸の運動が低下する(食欲低下)
  • 発汗が増える
  • 気管支が拡張する(呼吸が速くなる)

このことからも、「自律神経」と「ホルモン」は切り離せない関係にあります。


ホルモンの影響を考えた鍼灸のアプローチ

私(鍼灸師)は、脈診・腹診・ツボの反応から、アドレナリン・ノルアドレナリンの影響を受けていると判断した場合、主に「腎経」のツボを使って調節を行います。

その根拠のひとつが、長野潔先生の著書『鍼灸臨床新治療法の探求(医道の日本社)』に記された以下の記述です。

「照海というのは副腎皮質、然谷というのは副腎髄質と因果関係が深いので、然谷と照海というのは非常に近いが、全く逆の作用をする。」

「照海に鍼を留めると副腎皮質ホルモンの分泌が促進されて副腎髄質ホルモンの分泌を抑制するように働く。」

「従って、交感神経緊張による数脈(さくみゃく/速い脈)も取れてくる。」

実際にこのようなアプローチをとると、脈がゆったりとし、精神的にも落ち着きを感じられる方が多いです。


「首に鍼をすれば治る」だけでは解決しないことがある

患者さんから
「自律神経の不調は首に鍼をするんでしょ?」と言われることがあります。

確かに、首には「星状神経節(せいじょうしんけいせつ)」があり、重要な部位のひとつです。

星状神経節とは

首の根元にある交感神経の大きな神経節のひとつです。

血管・発汗・心臓・肺のコントロール、痛みの感覚、自律神経に関与しています。

ただし、ホルモンの影響を受けて自律神経の乱れが起きている場合は、首だけに鍼をしても問題が解決しないことがあります。

その代表例が「更年期障害」です。


更年期障害と副腎へのアプローチ

女性は40代を過ぎると、卵巣機能が徐々に低下します。

その結果、卵巣から分泌される女性ホルモンが減少してきます。

体としては女性ホルモンを分泌したいのですが、卵巣の機能が低下しているためうまく分泌できません。

このような状態になると自律神経の乱れが生じ、自律神経失調症につながることがあります。

こうしたケースでは、鍼灸で副腎が元気に働くよう働きかけます。

副腎は女性ホルモンの分泌にも関わっているため、卵巣機能が低下した状態でも体をサポートする役割を担っています。

その結果、更年期障害による不調が徐々に落ち着いてくることが多いです。

▶[参考:更年期障害と鍼灸治療]


まとめ

鍼灸には、ホルモンに働きかけることで自律神経を整えるアプローチがあります。

自律神経の乱れが「どこから来ているのか」を見極めることが、改善への近道になると考えています。

埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、脈診・腹診をもとに「ホルモン」と「自律神経」の両面からアプローチしています。

ご予約をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。

おかだ鍼灸院 院長。

東洋医学(脈診・腹診)を中心に、
自律神経の不調や不妊(妊活)のお悩みを
26年以上臨床でサポートしています。

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