【記事改定日】令和8年4月25日
【筆者】岡田匡史(鍼灸師)
検査では異常がないと言われた。
でも、なんとなく不調が続いている——。
そういった方を診ていると、
みぞおちに硬さや押すと痛みが出ているケースが少なくありません。
私(鍼灸師)はこのお腹の反応を「腹診」で確認しながら、体の状態を読み取っています。
腹診については、
「腹診はあなたの不調を解き明かす」を参考にしてください。
このような事でお困りですか?

このページでは、
腹診でみぞおちに反応が出た患者さんの症例と、東洋医学的な考え方をご紹介します。
なぜ腹診をするの?

鍼灸治療では、『病気』や『不調』の原因を見つけるために腹診を行います。
カイロプラクターや整体師の方が
「背骨のズレ」や「骨盤のゆがみ」をみるのと同じように、
鍼灸師はお腹の状態から体の内側を読み取ります。
ただし、
腹診はすべての鍼灸院で行われているわけではありません。
鍼灸治療には西洋医学・東洋医学・整体の理論をメインにしている院があり、
当院は東洋医学に重点をおいた施術を行っています。
難経十六難と腹診の基礎

古典医学書である「難経十六難」には、以下のように記されています。
- 肝脈の内証は臍の左に動気あり
- 心脈の内証は臍上に動気あり
- 脾脈の内証は臍にあたって動気あり
- 肺脈の内証は臍の右に動気あり
- 腎脈の内証は臍の下に動気あり
これを按ずれば牢若しくは痛む
——とされており、この考えをもとにすると、
みぞおち(臍の上)を押して硬さや痛みがある場合は「心(しん)」に問題があることが分かります。
東洋医学の「心」と西洋医学の「心臓」は違う

ここで注意が必要なのは、
東洋医学の「心」と西洋医学の「心臓」は同一ではないという点です。
似ている部分もありますが、異なる側面も多くあります。
東洋医学で考える「心」の働きには、以下のものが含まれます。
- 精神活動
- 血液循環
- 汗・舌との関係
- 火の性質
そのため、「心」に問題が起きると、
精神活動が不安定になったり、血液循環が悪くなったり、汗・舌に異常が出たり、体を温める力に問題が生じたりと、さまざまな不調につながります。
なお、心については「東洋医学で考える心の働き」をご覧ください。
みぞおちに反応が出た患者さんに多い症状

実際に私が診てきた患者さんで、
腹診でみぞおちに反応が出ていた48名を振り返ると、以下のような症状が多くみられました。
- 1位:めまい(グルグル回る・ふわふわ・立ちくらみ)
- 2位:肩こり(首こりを含む)
- 3位:胃の不調(食欲不振・吐き気・胃もたれ・胃痛)
- 4位:頭痛
- 4位:息苦しい・動悸・腰痛
- 5位:のぼせ・不眠
- 6位:耳鳴り
- 7位:汗・喉のつまり
- 8位:難聴・顔面神経麻痺
- 9位:咳・ドライマウス・舌痛症
これらの症状の背景には、
自律神経失調症・更年期障害・慢性上咽頭炎・メニエール病・良性発作性頭位めまい症・機能性ディスペプシア・パニック障害などがありました。
みぞおちへの鍼灸アプローチ

鍼灸治療では、
手足・背中・お腹のツボを巧みに組み合わせ、みぞおちの硬さや圧痛を和らげるようにアプローチします。
みぞおちの緊張が緩んで「心」が安定すると、
上記のような諸症状の改善につながることがあります。
幸手市・久喜市・加須市・杉戸町で体の不調にお悩みの方は、鍼灸治療の選択肢としてご検討ください。
よくある質問

Q. 腹診はすべての鍼灸院でやっているのですか?
すべての院で行っているわけではありません。
当院は東洋医学を重視した施術を行っており、腹診・脈診を組み合わせて不調の原因を探っています。
Q. みぞおちを押すと痛いのは、必ず「心」の問題ですか?
東洋医学的にはその可能性がありますが、
胃炎や消化器系の問題が原因のこともあります。
内科的な疾患が疑われる場合は医療機関への受診を優先してください。
Q. 腹診で分かることはどんなことですか?
五臓(肝・心・脾・肺・腎)のどこに問題があるかの手がかりを得ることができます。
脈診と合わせて診ることで、より精度の高い施術につながります。
Q. どんな症状があれば腹診を受けた方がいいですか?
例えば、検査をしても異常がでない、なかなか体調が改善しない方であれば、
腹診を行うことで手がかりになる事があります。
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