【公開日】2024年3月20日
【最終更新日】2026年1月17日
【筆者】岡田 匡史(国家資格 鍼灸師)
喉が腫れて痛いときに知っておきたいこと

喉が腫れて、つばを飲み込むだけで痛い。
そんなとき「喉のツボを押せばいいのでは?」と思って、このページにたどり着いた方も多いと思います。
ネット上では、
天突・水突・人迎・天鼎など、喉の近くにあるツボがよく紹介されています。
ただ、鍼灸師として臨床を続けてきた立場から見ると、
扁桃の腫れや炎症そのものを引かせる目的では、反応が乏しいケースも少なくありません。
そこでこの記事では、
- 私自身が実際に使っている
- 喉の腫れが悪化しにくかった
- 自宅でも安全にケアしやすい
本当に反応の出やすかったツボだけを、理由とともにお伝えします。
結論|喉の腫れ・炎症に使うツボはこの2つ
文章だけでは分かりにくい方のために、
喉の腫れ・痛みをツボでケアする方法を動画で紹介しています。
まずは動画で全体の流れを確認してから、
下の説明を読んでいただくと理解しやすいと思います。
喉の痛みや腫れがあるとき、
私が実際に使っているのは次の2つです。
尺沢(しゃくたく)

喉の腫れや扁桃腺の痛みに、最も使うツボです。
照海(しょうかい)

喉の不調を繰り返す方、炎症が長引きやすい方に欠かせないツボです。
※ 首周りのツボは、安全性や反応の安定性の面から、自己ケアでは積極的に使っていません。
なぜ喉の近くのツボを使わないのか

天突・水突・人迎・天鼎などは、一般的なツボ解説ではよく紹介されています。
しかし臨床上、
- 扁桃の腫れそのものが引きにくい
- 血管や気道が近く、刺激が不安定になりやすい
- 自己ケアでは不快感が出やすい
といった理由から、当院では積極的には使用していません。
喉の炎症は、
「喉だけの問題」ではなく、体の内側のバランスの乱れとして出ていることが多いため、腕や足など、離れた場所から調整した方が反応が出やすいと感じています。
喉に違和感を感じた時の私の対処法

私の場合、喉に少しでも違和感を感じた時には、喉の腫れを鎮めるツボにお灸をします。
すると、
「このままだと風邪を引きそうだな…」
という段階で、
悪化する前に回復できることが多く、体の変化に早めに気づき、対処する大切さを実感しています。
喉の腫れと扁桃(口蓋扁桃)について

喉に違和感や痛みを感じる時、
多くの場合、扁桃(口蓋扁桃)で炎症が起こり、腫れています。
扁桃は、
空気中のウイルスや細菌をブロックし、抗体を作る「免疫の最前線」とも言える大切な場所です。
ここで炎症が続くと、
- 喉の痛み
- 炎症ストレスによる自律神経の乱れ
- 全身の抵抗力の低下
につながることもあります。
だからこそ、
喉の違和感という小さなサインのうちにケアすることが大切です。
東洋医学から見た「喉の腫れ」

東洋医学では、
喉の腫れや痛みを、喉だけの問題としては考えません。
喉は体の内側の状態を映し出す場所で、特に「肺」や「腎」の影響を受けやすいとされています。
喉に炎症や腫れがある時は、
体の中に余分な「熱(火)」がこもっている状態。
この熱を抑えるために重要なのが、
体の潤いを保ち、熱を調整する「腎(水)」の働きです。
喉の腫れ・炎症を引かせるツボ
尺沢(しゃくたく)
喉の腫れや扁桃腺の痛みに使う、代表的なツボです。
尺沢が合いやすい方の特徴


- お臍の右側を軽く押すと痛い
- 親指の付け根(母指球)を押すと痛い
尺沢の場所と見つけ方

手のひらを上に向け、肘を軽く曲げます。
肘の内側のシワ上で、上腕二頭筋腱の親指側にあるくぼみが尺沢です。
セルフチェックのポイント
- 押すと肘から前腕にかけてズーンと響く
- 左右を比べて、より違和感のある側
尺沢のお灸・ケアのポイント

このツボにお灸を続けることで、
- 喉の腫れ
- 炎症による痛み
が引きやすくなります。
慢性的に喉が弱い方は、風邪予防として使うのもおすすめです。
尺沢に使う台座灸の選び方や、
熱さを感じた時の対処法については、こちらのページで詳しく解説しています。
尺沢で改善しにくい場合のツボ|照海(しょうかい)
尺沢を使っても喉の痛みが取れにくい場合は、
照海を併用します。
照海は、足の少陰腎経に属し、
腎の働きを高めるツボです。
体の内側から喉の炎症(火)を抑える助けになります。
照海の場所

内くるぶしの一番出っ張った所から、親指1本分下です。
喉の痛みが長引く方や、
繰り返し扁桃腺が腫れる方は、
尺沢と照海を併用すると効果を感じやすいでしょう。
注意点

※ 高熱が続く場合
※ 強い腫れや膿を伴う場合
※ 呼吸が苦しい場合は
早めに医療機関を受診してください。
ツボの場所は人によって微妙に異なります。
来院時には、あなたの体に合わせた「一番効くポイント」を実際にお伝えしています。
初めてお灸をする方へ(やり方動画)
※ お灸が初めての方や、不安がある方は動画をご参考ください。


