【記事改訂日】2026年6月18日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
陽陵泉を使う症状

私(鍼灸師)が陽陵泉を使う症状は、主に以下のものです。
- 肩こり
- ばね指
- 腱鞘炎
- 腰痛
- リウマチによる手首の痛み
- 胃の不調(胃酸過多・胃痛・食欲の亢進)
なぜこのような症状に使うのかというと、陽陵泉はもともと筋会(きんえ)と呼ばれており、「筋(すじ)」の病に効果を発揮するツボだからです。
また、胃の不調(胃酸過多・胃痛)にも効果がみられることがあります。
首から肩の痛みへの使用例

以前、首から肩の痛みで来院された方がいました。
3か月前から徐々に首を動かせなくなり、上下・左右に振り返ることができなくなったとのことでした。
まるで、ずっと続く「寝違い」のような状態です。
その間、病院で肩に注射を受けたり、鍼灸整骨院で鍼の施術を受けたりしていたそうですが、思うような効果は得られなかったようでした。
それだけの施術を受けても続く頑固な痛みは、そう簡単には改善しません。
そこで、施術だけでなく、ご自宅でのお灸もお願いしました。
すると、1か月が経つ頃には徐々に首が回るようになり、「8割回復した」とのお声をいただきました。
ばね指・腱鞘炎への使用例

指を動かすとカックン・カックンしてしまう「ばね指」や「腱鞘炎」にも、陽陵泉は有用なことがあります。
以前、指をまったく動かせなくなってしまったほど重度のばね指の方に、陽陵泉へのお灸を毎日続けていただいたところ、手術をせずにすんだ例がありました。
最初、私は症状の重さを見て「手術した方が良いのでは?」とお伝えしました。
しかし、ご本人の希望もありお灸を続けていただいたところ、完全に曲げ伸ばしができるようになりました。
リウマチによる手首の痛みや腰痛にも、効果がみられることがあります。
胃の不調(胃酸過多・胃痛・食欲の亢進)

先日、食欲が出過ぎてしまって困るという方に、陽陵泉を使用して症状が落ち着いたケースがありました。
なぜ症状が落ち着いたのか?
東洋医学では、自然界にある木・火・土・金・水を5つの要素に分類した「五行色体表」というものがあります。

その中では、胃は「土」の性質に当てはまります。
この「土」が強くなり過ぎている場合、症状を落ち着かせるには「木」に当てはまる内臓を元気にさせる事がポイントです。
その理由は、
自然界では、木は土から栄養分を摂る関係があるからです。
陽陵泉は、足の少陽胆経と呼ばれる経絡上にあって、胆(木)と関係があるツボになります。
陽陵泉を使用する事により胆(木)が活性化され、胃の異常亢進を抑制してくれたのだと思われます。
ちなみに、「土」が強くなっているかの判断は、腹診・脈診・ツボなどの情報を考慮しているので、症状だけで判断しているものではありません。
ツボの場所

陽陵泉は、足の少陽胆経(しょうようたんけい)と呼ばれる経絡上にあり、膝の側面に位置しています。
膝をよく見ると、骨が出っ張っている部分があります(※太り気味の方は分かりにくいことがあります)。
これを腓骨頭(ひこつとう)といいます。
陽陵泉は、この腓骨頭の下にあります。
ツボの使い方

陽陵泉を使うときには、コツがあります。
不調のある側とは反対側のツボを使うという点です。
たとえば、右の親指がばね指になっている場合は、左の陽陵泉を使います。
そのほうが効果を発揮することが多い印象です。
※患側(不調のある側)のツボが効果を発揮することもあります。
お灸のやり方
私(鍼灸師)がお勧めするお灸は2種類あります。
透熱灸(とうねつきゅう)

もぐさを米粒・半米粒ほどの大きさに捻り、線香で火をつけるタイプです。
台座灸(だいざきゅう)

台座のシールを剥がしてツボに貼るタイプです。「せんねん灸」などが代表的で、東洋医学に関心のある方には馴染みがあるかもしれません。
まとめ
陽陵泉は「筋の病」に作用するツボとして、ばね指・腱鞘炎・肩こり・腰痛・リウマチによる手首の痛み・胃の不調など、幅広い症状に活用できる可能性があります。
施術をご希望の方は、下記のご利用の流れをご覧ください。


