【記事投稿日】2026.9.18
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
先日、患者さんとお話をしている時に、背中のコリについて話題になりました。
その方は以前、左側の背中が凝ってつらかった時に、
「心臓が悪いのではないか?」
と不安になり、循環器の病院で診てもらったことがあるそうです。
しかし、検査では特に異常は見つからなかったとのことでした。
その後、パニック障害を発症したこともお話ししてくださいました。
施術の際、その背中の場所を患者さんに確認しながら詳しく調べてみると、東洋医学で「心」と関連すると考える部位に圧痛がみられました。
もちろん、ここに圧痛があるからといって、心臓の病気やパニック障害があると判断することはできません。
ただ、東洋医学では「心」は心臓だけを指すものではなく、精神的な緊張や睡眠などとも関わる概念として考えられています。
実際の臨床でも、仕事や家庭の問題などで心労が続いている方に、このような背中の部位に緊張や圧痛がみられることがあります。
左側の背中が凝る原因は心臓だけではありません

左側の背中に痛みやコリを感じると、
「心臓が悪いのでは?」
と心配になる方もいると思います。
しかし、背中のコリにはさまざまな原因があります。
例えば、
- 長時間のデスクワーク
- 猫背や姿勢の乱れ
- 首や肩周囲の筋肉の緊張
- 運動不足
- 精神的な緊張やストレス
- 睡眠不足
- 疲労
などでも、背中の筋肉が緊張し、痛みやコリを感じることがあります。
そのため、左背部にコリがあるだけで「心臓が悪い」と判断することはできません。
一方で、胸の痛みや圧迫感、強い息苦しさ、冷や汗、吐き気などを伴う場合には、心臓や血管の病気が隠れている可能性もあります。
このような症状がある場合には、まず医療機関で診察を受けることが大切です。
東洋医学では背中の反応も体をみる手がかりにします

東洋医学では、症状が出ている場所だけではなく、体のさまざまな場所に現れる反応を確認します。
背中には「背部兪穴(はいぶゆけつ)」と呼ばれるツボが並んでおり、古くから内臓や全身の状態をみる際の一つの手がかりとして用いられてきました。
そのため、東洋医学で「心」と関係すると考えるツボに反応が出ていた場合には、そこだけで判断するのではなく、腹診や脈診などでも「心」に関係する反応がないか確認します。
さらに、「心」の経絡上にあるツボにも異常な反応がないか確認していきます。
それらの所見を総合して、東洋医学的に「心」の働きに偏りがあると考えられる場合には、そこにアプローチするような施術を行います。
当院では背中だけを施術するわけではありません

一般の方は、左の背中が凝っていれば、
「凝っているところに鍼をするのかな?」
と思う方が多いようです。
しかし、当院では背中だけに鍼をするわけではありません。
例えば東洋医学では、「心」の働きが過剰になっているような状態を「心実」と表現することがあります。
五行の考え方では、「心」は火の性質と関係すると考えます。

このような場合、治療法によっては、水の性質を持つツボを使い、強くなりすぎた火を鎮めていくという考え方があります。
イメージとしては、燃え盛っている火を少し弱火にしていくようなものです。
その結果、東洋医学的な「心」の偏りが整ってくると、それに伴って背中の緊張やコリが緩んでくることもあります。
このように当院では、最初から凝っている場所だけを施術するのではなく、まず体全体の状態を確認し、バランスを整えたうえで、必要に応じて患部にも施術を行っています。
心について詳しく知りたい方は、「東洋医学で考える心の働き」をご覧ください。
背中のコリも体からの一つのサインとして考えます

背中のコリというと、単純に「筋肉が硬くなっているだけ」と考えてしまうこともあります。
もちろん、姿勢や使い過ぎなどによる筋肉の緊張も少なくありません。
しかし、仕事や家庭でのストレス、睡眠不足、疲労などが続いている時には、本人が気づかないうちに体のさまざまな場所に緊張が現れていることがあります。
当院では、背中のコリだけを見るのではなく、脈やお腹、舌、ツボなどの反応も合わせながら、その方の体全体の状態を確認していきます。
病院で検査を受けても特に異常が見つからないものの、背中のコリや体の不調が続いている場合には、一度ご自身の体の状態を見直してみることも大切です。
埼玉県幸手市のおかだ鍼灸院では、自律神経の不調に対する施術に力を入れています。
▶[参考:自律神経失調症と鍼灸治療]
ストレスや更年期などをきっかけに、動悸・めまい・頭痛・喉の詰り・息苦しさ・胃腸の不調・不眠など、さまざまな症状でお悩みの方が来院されています。
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