はじめに

埼玉県で突発性難聴と診断され、鍼灸の併用を検討されている方へ。
幸手市のおかだ鍼灸院には、久喜市・加須市・杉戸町・春日部市・宮代町・古河市など、埼玉県東部エリアを中心に来院されています。
突発性難聴は早期の耳鼻科受診が大切な疾患です。当院では、病院治療と併用しながら、自律神経や体質を整え、回復を後押しする施術を行っています。
本記事では、実際の鍼灸症例の経過をご紹介します。
突発性難聴とは?

突発性難聴は、突然発症する原因不明の感音性難聴と定義されています。
10万人に約30人が発症すると言われており、10年前と比べて約1.5倍に増えています。
突発性難聴の経過としては、
約40%が治癒、約40%が何らかの改善、約20%が改善が乏しいとされています。
原因としては、蝸牛循環障害やウイルス性内耳炎が有力と考えられています。
また、発症から2週間以内に治療を開始すると、聴力改善の可能性が高いとされています。
予後不良になりやすいとされるケース
- 発症後2週間以上経過している
- 発症時の平均聴力レベルが90dB以上
- 回転性めまいを伴う
- 糖尿病の合併
- 高齢者
突発性難聴の鍼灸症例11

来院日)令和7年7月14日
患者)54歳 女性
主訴)左突発性難聴・耳鳴り
7月9日の朝、起床時に左耳が聞こえないことに気づいた。
地元の耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断され、大学病院を紹介された。
もともと緑内障があり、ステロイドの使用ができない。
かかりつけの眼科医からは「使用してみないと目への影響が分からない」と説明を受けた。
大学病院の耳鼻科医からは「目を取るか、耳を取るかの選択になる」と説明された。
視力低下への不安が強く、ステロイド治療は行わない選択をした。
他の薬は服用している。
以前、鍼灸を受けた際に体調が良くなった経験があり、突発性難聴に対応できる鍼灸院を探して来院された。
治療と経過
腹診を行うと、みぞおちに硬さがみられた。
この部位に反応が出る場合、精神的ストレスや自律神経の乱れが関係していることが多い。
脈診では、やや緊張した脈をしており、自律神経の乱れがうかがえた。
また、東洋医学でいう「腎」の脈がやや弱い印象を受けた。
これらを踏まえ、体のバランスを整えるツボを中心に鍼を行い、初回の施術を終えた。
2回目
「少し音が聞こえるようになってきた」とのこと。
自宅でお灸をしたいとの希望があり、体質に合うツボを指導した。
3回目
検査は行っていないが、「7割くらい聞こえている感じがする」と話される。
耳鳴りも気にならなくなってきた。
4回目
「右耳と同じくらいに聞こえるようになった」とのこと。
大学病院の受診は先になるため、地元の耳鼻科を再受診予定。
5回目
地元の耳鼻科では、「大学病院で診察を受けてください」と案内された。
6回目
自覚的には良好な状態が安定して続いている。
※施術の効果には個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例10

来院日)令和6年5月22日
患者)68歳 女性
主訴)左突発性難聴(疑い)・耳閉感
2~3週間前に、急に左耳が聞こえづらくなり、会話をしても声が遠くに感じてよく分からない状態になる。
また、首こり・肩こりが強く、気持ちが悪い状態が続いていた。
「放っておけば治るだろう」と思い、そのまま様子をみていたが、3週間ほど経っても耳の聞こえが改善しなかった。
以前、おかだ鍼灸院で施術を受けたことがあり、耳の不調にも対応できるか問い合わせの電話をいただいた。
話を聞くと、まだ耳鼻科での診察を受けていないとのことだった。
検査をしないと、何の病気か分からないこと、またどの程度聴力が低下しているのかも分からないため、必ず耳鼻科を受診するように伝えた。
施術と経過
脈の状態をみると、「腎」と「肝」が弱いように感じられた。
また、免疫と関係が深いと考えられる「慢性口蓋扁桃」や「慢性上咽頭炎」で反応が出るツボに、強いコリがみられた。
舌の状態を確認すると、全体的に赤く、体に熱がこもっている状態がうかがえた。
これらを踏まえ、体のバランスを整えるツボと、首こり・肩こりを和らげる施術を行い、1回目の施術を終えた。
2回目
前回の施術から2日ほど経って、首こり・肩こりが楽になったとのこと。
また、自覚的に「耳の聞こえが半分くらい良くなった」と話される。
3回目
自覚的には「8割くらい聞こえるようになった」とのこと。
耳の不調はかなり楽になったと感じている様子だった。
「耳鼻科には行かれましたか?」と確認すると、
「実はまだ行っていない」との返答だった。
理由を聞くと、「改装工事で休診の日が多く、行けなかった」とのことだった。
4回目
「少し耳の詰まり感があるかな?」と話される。
5回目
「以前の耳の状態に戻った」とのこと。
「せっかく良くなったので、悪くならないように、しばらく鍼灸を続けたい」と話される。
考察
西洋医学では、突発性難聴の原因として、
原因不明、ウイルス感染、内耳血流障害などが有力な説とされています。
この症例では、東洋医学的な視点で体の状態を確認したところ、
免疫の低下を示すと考えられる反応(扁桃・上咽頭)に強いコリがみられました。
これが回復を妨げていた可能性があると考え、その点を意識した施術を行ったところ、
耳の聞こえや耳閉感の改善につながりました。
良い結果につながりましたが、突発性難聴が疑われる場合は、
必ず病院(耳鼻科)を受診してから来院していただくようお願いしています。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例9

来院日)令和5年4月19日
患者)48歳 女性
主訴)左突発性難聴
4月9日頃より、左耳が聞こえづらくなり、
めまい・音が響く・耳鳴り・耳閉感などの症状で悩まされていた。
特に聞こえづらい低音域では、聴力検査で60dB程度の低下がみられた。
施術と経過
脈の状態をみると、やや「腎」の弱りがあるように感じられた。
また、腹部の状態では「脾」の弱りを示す反応もみられた。
これらを踏まえ、体全体のバランスを整えることを目的にツボを選び、
施術の最後に耳鍼を行い、1回目の施術を終えた。
2回目
「前回の施術後、体がスッキリした感じがあった」と話される。
ただし、「昨日からめまいが強く、音の聞こえ方がチューニングの合わないような感じがする」とのこと。
自宅でも無理のない範囲でお灸を行うよう勧めた。
3回目
この日は、めまいはみられなかった。
胃のむかつきも軽減し、音の聞こえ方の違和感も消失していた。
その他の症状の改善がみられたため、
「耳の状態も少しずつ良くなってきている可能性があります」と伝えた。
4回目
耳鼻科で聴力検査を行ったところ、
「左右ほぼ同じくらいまで回復している」と説明を受けたとのこと。
ただし、耳閉感はやや残っていた。
耳鼻科医からは「良くなっても、また悪くなることがあるので様子をみましょう」と言われた。
5回目
「日曜日から頭痛とふらつきが出てきた」
また、「音が二重に聞こえる感じがする」と話される。
「再び突発性難聴が悪化するのではないか」と、不安を感じている様子だった。
7回目
耳鼻科で再度、聴力検査を行ったところ、特に問題はなかった。
その後は、時々耳閉感を感じる程度まで落ち着いてきた。
後日、
「仕事に復帰してから、耳閉感も気にならなくなった」と連絡をいただいた。
考察
この症例では、施術中の様子やお話を伺う中で、
不安感や精神的な緊張が強く影響していた可能性があると感じられた。
また、脈の状態から「腎」の弱りがうかがえた。
東洋医学では、「腎」は恐れや不安と関係が深く、
さらに「腎は耳に開竅する」と言われ、耳の働きとも関係が深いと考えられている。
施術とあわせて、自宅でも無理のない範囲で腎を補うとされるツボにお灸を行ってもらったことが、
体調や症状の安定につながった可能性があると考えられた。
※お灸が合う方・合わない方がいます。
※また、耳の症状は必ずしも「腎」だけが関係するとは限りません。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例8

来院日)令和4年10月24日
患者)45歳 女性
症状)
2週間ほど前から左耳の聞こえが悪くなり、耳鼻科を受診したところ「突発性難聴」と診断された。
薬を服用しているが、症状に大きな変化はみられなかった。
壁が一枚あるような感覚、水が耳に入っているような感じがして聞こえづらい状態が続いていた。
また、「キーン」とした耳鳴りもある。
施術と経過
腹部の状態を確認すると、「腎」や「瘀血(おけつ)」の反応がみられた。
特に左下腹部に硬さがあり、確認すると、以前の検診で子宮筋腫を指摘されたことがあるとのことだった。
また、脈の状態からは交感神経の過緊張がうかがえた。
これらの状態が体全体の血流や回復力に影響している可能性を考え、
体のバランスを整えるツボを中心に鍼を行い、初回の施術を終えた。
2回目
前回の施術後に、やや倦怠感が出たとのこと。
耳鳴り(キーン)と耳の詰まり感については、「少し良くなった気がする」と話される。
3回目
水が耳に入っているような感覚がなくなった。
耳鳴りも鳴っておらず、以前耳鳴りがあったのか疑問に思うほど調子が良いとのこと。
4回目
突発性難聴になってから、ヘッドホンを使用すると左右で聞こえ方に違いがあったが、
現在は同じように聞こえるようになった。
その後、耳鼻科で検査を受けたところ、「正常値に戻った」と説明を受けた。
考察
この症例では、「腎」「瘀血(血流の滞り)」「交感神経の過緊張」などが回復を妨げていた可能性が考えられた。
これらに配慮した施術を行うことで、内耳の循環や体全体の状態が整い、良い結果につながった可能性がある。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例7

来院日)令和4年8月25日
患者)36歳 女性
主訴)
左耳鳴り(ジー、キーン)・難聴・耳の詰まり
8月20日に、左耳の聴力が落ちていることに気づき、耳鼻科を受診した。
医師からは「軽い突発性難聴」と説明され、ステロイドの薬を3日間服用するよう指示された。
しかし、その後、耳鳴りが強くなり、大学病院へ紹介された。
大学病院で検査を受けたところ、以前より聴力が落ちていることが分かった。
特に高音域が聞こえづらくなっていた。
西洋医学だけでなく、良いと言われるものは何でも試してみようと考え、
漢方・整体・YouTubeで見た耳のマッサージなども行っているとのことだった。
施術と経過
脈の状態をみると、緊張の強い脈(交感神経の緊張)をしていた。
また、糸のように細い脈で、血流が悪くなっている可能性が考えられた。
腹部の状態を確認すると、
鳩尾(みぞおち)の硬さと不快感(心の不調)、
胃内停水(胃の不調)、
脾の反応(脾・膵の弱り)、
瘀血(血の滞り)などの反応がみられた。
これらを改善するツボに鍼を行い、初回の施術を終えた。
第2回目
耳鳴り・難聴・耳の詰まりに大きな変化はみられなかった。
第3回目
「耳鳴りが小さくなった」と話される。
第4回目
「漢方が強いのか、胃の具合が悪い」との訴えがあった。
第5回目
大学病院を受診したところ、
医師から「ずいぶん良くなったね」と言われたとのこと。
検査でも、以前より聴力が回復していることが確認された。
ただし、小さな「ジー」という耳鳴りと、耳閉感はまだ気になるとのことだった。
第7回目
「ジー」「キーン」という耳鳴りが、少し残っている状態。
第8回目
「高い音が聞こえづらいが、以前は全く聞こえなかったので、今はだいぶまし」
「耳の詰まりは完全ではないが、良い感じになっている」
と話される。
考察
この症例では、脈のピンと張った硬さから、
自律神経の乱れが回復を妨げていた可能性が強いと考えられた。
自律神経の乱れにより血流が悪くなり、内耳の循環に影響を及ぼしたり、
消化器系の働きも低下していた可能性がある。
残念ながら100%の回復には至らなかったが、
症状の改善がみられたことは、生活の質の向上につながったと感じられた。
気になった点として、
西洋医学の治療に加えて、
①漢方
②整体
③YouTubeで見た耳のマッサージ
④鍼灸
など、複数の刺激を同時に行っていたことが挙げられる。
刺激を与えすぎると、効果を打ち消し合い、
回復を妨げる場合もあると考えられる。
※施術の効果には、個人差があります。
西洋医学の治療を基本とし、
他の施術を取り入れる場合は「1つ程度」に絞った方が良いと感じられた。
突発性難聴の鍼灸症例6

来院日)令和3年6月1日
患者)50歳 女性
症状)
左耳閉感・めまい・左頸部リンパの腫れ・食欲不振
5月7日頃から耳の具合が悪くなり、しばらく様子をみていた。
数日後に病院を受診したところ、突発性難聴と診断され、約1週間入院していた。
入院治療により難聴自体は回復したが、
退院後も左耳の閉塞感(耳の詰まり感)とめまいが残ったままの状態だった。
また、退院後から左頸部のリンパの腫れと痛みが気になるようになり、
押すと痛みを感じるとのことだった。
食欲もあまりなく、体力の低下を自覚している様子だった。
施術と経過
脈の状態をみると、沈んで細く、遅い脈をしていた。
これは、体が疲れている状態(東洋医学でいう「腎虚」)や、
血流が滞りやすい状態を示している可能性があると考えられた。
また、免疫力の低下を示すとされるツボにも反応がみられた。
これらを踏まえ、体力の回復と血流の改善、
体全体のバランスを整えることを目的に鍼を行い、初回の施術を終えた。
第2回目
「めまいは良くなった」と話される。
耳閉感も、前回より少し軽減している印象だった。
ただし、左頸部のリンパの痛みはまだ気になるとのことだった。
施術内容は前回と同様とし、
リンパの腫れを引かせる目的で、自宅でのお灸も勧めた。
第3回目
左頸部のリンパの痛みが減ってきた。
耳閉感については、最初を10とすると「5くらいまで減った」と話される。
第4回目
「前回の施術を受けて帰宅した後、耳閉感がなくなっていることに気づいた」
と話される。
耳の詰まり感はほぼ気にならない状態となった。
再発予防の目的もあり、
余っているお灸はすべて使い切るよう伝え、施術を終了とした。
考察
病院では、突発性難聴の治療としてステロイド薬(プレドニゾロンなど)が用いられることが多い。
これは、副腎から分泌される副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の作用を利用した治療である。
東洋医学的な視点では、
体力や回復力が低下した状態(腎虚)があると、
体内でのホルモンバランスや免疫の働きにも影響が出やすいと考えられている。
この症例では、体全体の疲労や回復力の低下が残存症状に関与していた可能性があり、
それらを整えることを目的とした施術を行ったことで、
耳閉感・めまい・リンパの痛みの改善につながった可能性があると考えられた。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例5

来院日)令和2年4月23日
患者)29歳 男性
主訴)
左耳難聴(低音が聞こえない)・耳の詰まり
朝起きた際に、突然、左耳の聞こえが悪いことに気づいた。
本人の表現では「耳栓をしているような感じ」が強く、違和感があった。
翌日、耳鼻科を受診したところ、
低音域が聞こえにくくなっていると説明を受けた。
これまでに、ぎっくり腰になった際、
整骨院で3週間施術を受けても改善せず、
その後、鍼灸を受けて良くなった経験があった。
そのため、
「突発性難聴にも鍼灸が良いのではないか」と考え、
突発性難聴に対応できる鍼灸院を探して来院された。
随伴症状
・手足が冷えやすい
・汗をかきやすい
・立ちくらみをする
・下痢になりやすい
服薬
・プレドニン
・カリジノゲナーゼ
・アデホスコーワ
・メコバラミン
・レバミピド
施術と経過
脈の状態を調べると、
ピンピンと尖ったような脈を感じた。
これは、交感神経が緊張している状態を示している可能性がある。
腹部の状態では、
消化器系の弱り、
瘀血(おけつ)による血液の滞り、
神経の興奮などの反応がみられた。
また、肩の緊張が非常に強く、
軽く押しただけでも痛みを感じる状態だった。
さらに、頭部にも瘀血の反応があり、
背骨を軽く押しても痛みを感じる部位がみられた。
これらを改善するツボに鍼を行おうとしたところ、
「強く痛みを感じる」との訴えがあった。
また、施術中に手足から汗が出てきたため、
自律神経が過敏な体質である可能性が考えられた。
そのため、刺激を一切与えない方法に切り替え、
体に負担をかけない施術を行い、初回の施術を終えた。
第2回目
大きな変化はみられなかった。
朝起きた時の「耳の詰まり」が特に辛いとのことだった。
ただし、「時間が経つにつれて詰まり感は軽くなる」と話される。
また、エレベーターに乗った際など、
気圧の変化があると、耳の詰まり感が強くなるとのことだった。
施術内容は前回と同様とした。
第3回目
薄い壁があるような感覚は残っているが、
自覚的には「5割くらい改善している気がする」と話される。
また、
「音の方向が分かるようになってきた」との変化もあった。
施術内容は前回と同様とした。
第4回目
耳鼻科を再受診したところ、
「聴力が戻り、耳の詰まりもなくなった」と説明を受けた。
薬の処方もなかったとのことだった。
ただし、
「良くなったが、不安が残る」との訴えがあった。
考察
身体に現れていた反応を総合的にみると、
もともと自律神経が過敏な体質に、
精神的・肉体的な疲労が重なったことで、
耳の不調が現れた可能性が考えられた。
この症例では、
・消化器系の弱り
・腹部や頭部の血行不良
・自律神経の乱れ
これらが回復を妨げていた可能性があり、
それらに配慮した施術を行ったことで、
突発性難聴の回復につながった可能性があると考えられた。
また、過去に鍼灸で良い経験があったこともあり、
西洋医学の治療と併用しながら、
早期に施術を開始できた点も良かったと考えられる。
突発性難聴でお困りの方は、
できるだけ発症から2週間以内に対応することが望ましい。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例4

来院日)令和2年2月18日
患者)36歳 男性
主訴)
左難聴・強い耳鳴り
12月20日頃、機械を使って物を壊す仕事をしていた。
そのあたりから、プロペラが回るような耳鳴りを感じるようになり、
次第に左耳の聞こえが悪くなった。
この時期、仕事が非常に忙しく、強い疲労を感じていた。
耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断され、
ステロイド剤(薬の名前は不明)を4錠服用していた。
回復が思わしくなかったため、その後は注射による治療も行っていた。
しかし、治療を続けるうちに体調が悪化していく感覚があり、
特に耳鳴りが辛く、2時間ほどしか仕事に集中できない状態だった。
施術と経過
ツボの反応を確認すると、
免疫力の低下を示すと考えられる反応(扁桃病巣感染を示唆する部位)がみられた。
また、脈の状態はやや沈み込み、全身的な疲労が強い状態がうかがえた。
これらを踏まえ、
体力の回復と免疫バランスを整えることを目的に施術を行い、
第1回目の施術を終えた。
第2回目
難聴や耳鳴りに大きな変化はみられなかったが、
「体が元気になった感じがする」「頭がさえている感じがある」
と話される。
第3回目
体調は良好で、
「両耳のバランスが整ってきた感じがする」
とのことだった。
結婚式に出席し、お酒を飲んだが、
耳鳴りが以前ほど強くならなかった点も変化として挙げられた。
第4回目
この日は調子が悪く感じ、
耳鳴りが気になる状態だった。
第5回目
前回よりは調子が良いと話される。
その後も施術を継続。
第14回目
久しぶりに耳鼻科で聴力検査を行った。
結果として、
残念ながら聴力自体の回復はみられなかった。
ただし、
・以前は2時間ほどしか仕事に集中できなかったが、現在は仕事に集中できるようになった
・耳鼻科の待合室で、以前は騒音のように感じていた耳鳴りが、かなり楽になった
など、生活の質の向上がみられた。
現在も、
「鍼を受けると体調が良い」とのことで、施術を継続している。
考察
この症例では、突発性難聴を発症してから約2か月が経過してから施術を開始している。
これまでの経験から、
病院での治療と併用し、発症から2週間以内に施術を開始できた場合は、
良い結果につながることが多いと感じている。
その点において、
もう少し早期に施術を開始できていれば、
異なる結果になっていた可能性も考えられた。
一方で、
聴力自体の回復はみられなかったものの、
仕事への集中力が回復し、耳鳴りによる不快感が軽減するなど、
生活の質(QOL)の向上が得られた点は重要であると感じられた。
また、
本人から「突発性難聴に鍼灸が良いことを知らない人が多いので、
もっと伝えた方が良い」と言われたことが印象に残っている。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例3

来院日)令和2年3月12日
患者)49歳 男性
主訴)
左耳の難聴(高度)・耳鳴り・耳閉感
3月2日に、左耳に「キーン」という耳鳴りを感じた。
そのうち良くなるだろうと思い、特に気にせず過ごしていた。
翌日、耳の中に水が入ったような音の聞こえにくさを感じるようになった。
会社の近くの耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断され、
大学病院を紹介されて約1週間入院することになった。
入院時の聴力レベルは75dBだった。
退院時には69dBまで改善していたが、
本人としては「思ったほど良くなっていない」という印象だった。
聴力の回復があまりみられないことから、
インターネットで調べて「おかだ鍼灸院」を見つけ、来院された。
随伴症状
・動悸
・目の疲れ
施術と経過
腹部の反応を確認すると、みぞおちに違和感があった。
この部位に反応が出る場合、自律神経や胃の不調が関係していることが多い。
また、足のツボを押すと強い痛みを感じる反応があり、
精神的なストレスがかかっている状態がうかがえた。
これらの反応が和らぐようにツボを選び、
第1回目の施術を終えた。
第2回目
「耳の聞こえ方が、少し良いような感じがする」と話される。
耳鳴りは、あまり気にならなくなっていた。
第3回目
仕事を再開したところ、
「毎晩、金縛りにあうようになった」とのことだった。
また、耳がふさがる感じが再び気になるようになり、
頭痛や目の疲れも強くなってきた。
改めて身体の状態を詳しく確認すると、
頭のてっぺんを押した際に痛みを感じる反応がみられた。
これは、いわゆる「頭を使い過ぎている方」にみられる反応の一つである。
この反応が和らぐように施術を行い、第3回目を終えた。
第4回目
病院で聴力検査を受けたところ、
「正常になった」と説明を受けたとのことだった。
金縛りも起こらなくなった。
ただし、耳鳴りや耳閉感はまだ気になるとのことだった。
施術内容は前回と同様とした。
第5回目
耳閉感や耳鳴りもなく、調子が良い状態が続いているとのことだった。
このため、第5回目をもって施術を終了とした。
考察
この症例では、仕事を再開してから
金縛りが出現したり、耳鳴りや耳閉感が再び強くなった点から、
精神的なストレスが症状に関与していた可能性が考えられた。
また、身体全体のバランスをみると、
頭部に熱がこもり、下半身が冷えている状態がみられた。
これは、東洋医学でいう「上実下虚(じょうじつかきょ)」と呼ばれる状態で、
身体のバランスが崩れているサインの一つと考えられている。
このような状態では、
頭部ばかりに負担がかかりやすく、症状が長引くことがある。
日常生活では、
歩くことや軽い運動を取り入れることで、
身体全体の巡りを整えることが大切であると感じられた。
今回の症例では、
病院での治療に加え、比較的早い段階で鍼灸施術を併用できたことが、
回復につながった可能性があると考えられた。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例2

来院日)平成31年3月28日
患者)62歳 女性
主訴)
左耳の難聴(軽度)・耳の詰まり・耳鳴り
1週間ほど前から、左側に耳鳴りと耳の詰まった感じが出現した。
耳に水が入っているような違和感があり、気になっていた。
もともとアレルギー性鼻炎があり、
鼻をかみ過ぎた影響で起こったのではないかと考え、
しばらく様子をみていた。
しかし、耳鳴りや詰まった感じが改善しないため、
耳鼻科を受診した。
耳鼻科で聴力検査を行ったところ、
左耳の聴力が低下していることが分かり、
「突発性難聴」と診断された。
処方された薬は、
・プレドニゾロン錠
・カルナクリン錠
・ロフラゼプ酸エチル
・ガストロンN
だった。
薬を服用しても、
耳鳴り・耳の詰まり・難聴が改善しないため、
突発性難聴に鍼灸が良いことを知り、来院された。
耳の症状が出る前の出来事
耳の症状が現れる少し前に、
自宅の外壁や屋根の塗装工事を行っていた。
工事業者の出入りがあり、
工事完了後に外壁や屋根を確認したところ、
ペンキがかすれている箇所があり、
手抜き工事ではないかと感じた。
その後、塗装業者とトラブルになり、
眠れない日が続くなど、
強いストレスがかかっていたと話される。
施術と経過
脈の状態を確認すると、
自律神経の乱れと、
肝臓・腎臓の弱りを示すような反応がみられた。
これらが、
この女性の回復を妨げている要因の一つになっている可能性があると考えられた。
第1回目
自律神経の乱れ、
肝臓・腎臓の弱りを整えることを目的にツボを選び、
施術を行った。
施術後、
「少し耳の詰まりが良い気がする」と話され、帰宅された。
第2回目
2日後に来院。
「昨日までは少し良い感じだったが、
今日は耳にグワーンとする感じがある」と話される。
「このまま耳の詰まりや耳鳴りが取れなかったらどうしよう」
と、不安を感じている様子だった。
前回と同様の施術を行った。
その後
数日後に電話連絡があり、
「前回の施術を受けた次の日から、
耳の詰まり・耳鳴り・難聴(軽度)が消失した」
と報告を受けた。
耳の状態は、
症状が出る前と同じ状態まで回復したとのことだった。
考察
突発性難聴の原因としては、
蝸牛循環障害やウイルス性内耳炎などが有力と考えられている。
自律神経の乱れは血管を収縮させ、
内耳の血流に影響を及ぼすことがある。
また、肝臓の働きが弱ると、
血液の分配がうまくいかず、
血流に影響が出る場合があると考えられている。
さらに、副腎の働きが低下すると、
体内で分泌されるステロイドホルモンが減少し、
炎症を抑える力が弱くなる可能性も考えられる。
この症例では、
強いストレスが自律神経や体調全体に影響を与え、
耳の症状として現れていた可能性がある。
病院での治療と併用しながら、
体全体のバランスを整える施術を行えたことが、
回復につながった一因であると考えられた。
※施術の効果には、個人差があります。
突発性難聴の鍼灸症例1

来院日)平成30年3月15日
患者)70代 女性
主訴)
左耳難聴(軽度)・耳鳴り・めまい
2~3日前に、左耳に違和感を感じた。
しばらく様子をみていたが、症状に変化がなかったため、3月10日に耳鼻科を受診した。
耳鼻科で聴力検査を行ったところ、
左耳の聴力が低下していることが分かり、
診断名は「突発性難聴」だった。
処方された薬は、
・プレドニゾロン錠
・メチコバール
・アデホスコーワ
だった。
随伴症状
・肩こり
・首に熱感を感じる
治療と経過
腹部や脈の状態を確認すると、
自律神経の乱れがうかがえた。
また、副腎の働きが弱っている状態がみられた。
副腎の働きが低下すると、
体内で分泌されるステロイドホルモンの分泌も低下し、
神経の炎症を抑える力が弱くなる可能性があると考えられる。
これらが、この女性の回復を妨げている要因の一つと考え、
自律神経を整え、副腎の働きを助けることを目的にツボを選び、
鍼を行った。
第2回目
朝起きた時は、めまいはなかった。
しかし、来院途中に歩いている際、めまいが出現した。
第3回目
耳鼻科で聴力検査を行ったところ、
「少し良くなっている」と説明を受けた。
この日は、めまいはみられなかった。
第4回目
全体的に調子が良いと感じているとのことだった。
肩こりも気にならなくなった。
第5回目
耳鼻科で再度、聴力検査を行ったところ、
「正常に戻った」と説明を受けた。
やや耳鳴りは残っているものの、
日常生活ではほとんど気にならない程度とのことだった。
薬の服用も終了したと話される。
考察
突発性難聴は、
早期に治療を開始すると予後が良いとされている。
一方で、
・発症から2週間以上経過している
・発症時の平均聴力レベルが90dB以上
・回転性めまいを伴う
・糖尿病の合併
・高齢者
などの場合は、
予後不良になりやすいとされている。
この女性は高齢ではあったが、
比較的早期に耳鼻科を受診し、
病院での治療と並行して鍼灸施術を行うことができた。
また、
自律神経の乱れや副腎の働きに配慮し、
体調全体を整える施術を行ったことが、
回復につながった可能性があると考えられた。
西洋医学と東洋医学の両方の視点から、
早期に対応できたことが、
良い結果につながった要因の一つであると感じられた。
※施術の効果には、個人差があります。
考察
突発性難聴は、耳だけの問題ではなく、自律神経の乱れや体全体のバランスが関係しているケースも少なくありません。
当院では、腹診や脈診を通して全身の状態を確認し、必要に応じて東洋医学的な視点(腎・肝・心・脾・肺、瘀血など)も参考にしながら施術を行っています。
追記|当院の施術方針について
※当院では、突発性難聴を対症的なケアだけでなく、自律神経の状態や体質も含めて整えることを大切にしています。
▼関連する専門ページはこちら
・自律神経の乱れを根本から整えたい方へ
ご注意
- 必ず耳鼻科での検査・診断を受けてください
- 鍼灸は医療の代替ではなく、病院治療との併用を前提としています
- 施術の効果には個人差があります
【対応エリアについて】
当院には、幸手市をはじめ、久喜市・加須市・杉戸町・宮代町・春日部市など埼玉県東部エリアから、突発性難聴と診断され鍼灸施術を希望される方が来院されています。
また、茨城県古河市・五霞町など県外からの来院もあります。
病院治療と併用しながら、体調を整えたいとお考えの方はお越し下さい。
