【最終更新日】2026年1月21日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
【この記事の結論】検査で異常がない息苦しさの方へ

深呼吸をしても
「空気が胸のあたりで止まる感じ」
「お腹の奥まで吸い込めない」
そんな息苦しさはありませんか?
病院の検査で異常がない場合、
東洋医学では 「腎(じん)の弱り」 が関係していることがあります。
この記事では、
腎虚タイプの息苦しさに対して、
臨床で改善例の多い
- 照海(しょうかい)
- 関元(かんげん)
この2つのツボについて詳しく解説します。
※急激な息切れ、強い胸の痛み、顔色が悪くなるなどの症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。
腎が弱ると息苦しくなる

時々、鍼灸院を訪れる方の中には、
息を深く吸い込めなくて「息苦しい」と訴えられる方がいます。
先日来られた女性も、
「最近、胸が痛いように感じて息苦しい」とおっしゃっていました。
(※病院の検査では異常なし)
また、ご本人は腹式呼吸を意識して
深く息を吸って・吐いているつもりなのに、なぜか苦しく感じるそうです。
息苦しさを感じる方に共通する体の状態

このような方に共通するのが、腹診を行うと
- みぞおち付近が硬くなっている
- 下腹部が軟弱になっている
という状態です。
腹診(ふくしん)について詳しく知りたい方は、
▶ 腹診はあなたの不調を解き明かす
で解説しています。
東洋医学では、これを「腎虚心実(じんきょしんじつ)」 と考えます。
東洋医学でいう腎虚については、
▶ 腎虚って何だろう?
で分かりやすく解説しています。
簡単に言うと、
下腹部(腎)が弱って支えられず、胸やみぞおちに緊張が集まっている状態
です。
なぜ腎が弱ると息苦しくなるのか?

一般的に、呼吸は「肺」だけが関係していると思われがちですが、
東洋医学では 深い呼吸には「腎」が関係する と考えます。
腎には 納気作用(のうきさよう) があり、
肺から吸い込んだ空気を体の奥深くまで引き込む働きをしています。
そのため、腎が弱ると
- 空気を深く吸い込めない
- 呼吸が浅くなる
結果として「息苦しさ」を感じるようになります。
このような状態は、
- 更年期の女性
- 産後の女性
- ストレスによる自律神経の乱れがある方
に多く見られます。
なぜ手や胸のツボではなく「足」と「お腹」なのか?
手首や胸のツボは、
一時的に緊張をゆるめるのには役立ちます。
しかし、
- 深呼吸ができない
- 空気が体の奥まで入らない
と感じるタイプの息苦しさは、
吸い込んだ空気を体の奥へ引き込む力(腎)が弱っている 場合が多く、
足や下腹部のツボを使う方が、根本的な改善につながります。
息苦しい時に使うツボ
照海(しょうかい)

照海は、足の少陰腎経に属するツボで、
経絡を介して「腎」と深くつながっています。
このツボに、はりやお灸で刺激を加えると、
- 腎の働きが高まり
- 気・血の流れが整い
- 深い呼吸がしやすくなります
実際に施術を行った方からも、「息が吸いやすくなった」という声をよくいただきます。
照海の場所

足首の内側にある内果(内くるぶし)の下、
親指1本分(1寸)下 にあります。
ここに 台座灸 を行ってください。

台座灸のやり方については、
▶ 台座灸の正しいやり方
で詳しく解説しています。
関元(かんげん)

関元は下腹部にあるツボです。
息苦しさを感じる方の多くは、
- みぞおちが張っている
- 下腹部が弱っている
という状態になっています。
【セルフチェック】脈を測ってみてください
安静時に脈を測り、
1分間に80拍以上ある方 は、
関元へのお灸が特におすすめです。
関元の場所

おへその下、
指4本分(3寸) のところにあります。
ここにも 台座灸 を行います。
まとめ
病院の検査で異常がないのに息苦しい場合、原因は「肺」ではなく
腎の弱り にあることがあります。
- 足首の照海
- 下腹部の関元
この2つのツボを整えることで、
呼吸が楽になるケースは少なくありません。
埼玉県幸手市を中心に、久喜市・加須市周辺からも、検査で異常がない息苦しさで来院される方がいらっしゃいます。
【参考図書】
・経絡経穴概論(医道の日本社)
・鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
・中医学って何だろう?(東洋学術出版)


