【記事改定日】2026年6月25日
【筆者】岡田匡史(国家資格・鍼灸師)
鎮痛剤を飲んでも痛みが引かない、仕事を休まざるを得ない
——そんな生理痛に悩んでいる方へ、臨床で実際に使ってきたツボをご紹介します。
三陰交では楽にならなかった方へ

生理痛に良いツボとして知られているのは、三陰交(さんいんこう)です。
ただ、私(鍼灸師)がこれまで診てきた中には、三陰交を使っても症状が和らがなかった方が一定数いました。
そのような方に、私が使ってきたのが蠡溝(れいこう)というツボです。
蠡溝(れいこう)とは?

蠡溝は、足の厥陰肝経(けついんかんけい)という経絡上にあるツボです。
経絡とは、気血が流れる川のようなものと考えてください。
肝経はお腹の生殖器系を通過しています。
そのため、足にあるこのツボにお灸をすると、気血の流れが整い、下腹部の痛みが和らぐことがあります。
この肝経の「蠡溝」の多壮灸は、子宮の充血・炎症、痙攣というような症状を消失させるのに非常に有効かと思われる。
<引用:鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)>
蠡溝の見つけ方

足首の内くるぶし(内踝)から5寸上に上がった、脛骨(すね)の内側面の凹んだところに取ります。
取穴部位:内果の上5寸、脛骨内側面上の陥凹部に取る
<引用:経絡経穴概論(医道の日本社)>
骨の縁に沿って指を当て、押したときに強い痛みを感じる場所がそこです。
圧痛がある方は、このツボが反応しているサインです。
お灸のやり方

蠡溝に圧痛がある方は、以下いずれかのお灸を試してみてください。
- 透熱灸(とうねつきゅう):もぐさを手で小さく捻り、直接皮膚の上で燃やす方法
- 台座灸(だいざきゅう):市販の台座型お灸。自宅でも使いやすい
施術の実例として、前日から鎮痛剤を服用しているにもかかわらず「下腹部が痛く、足まで痺れて辛い」という方が来院されたことがあります。
蠡溝を押すと強い圧痛がありましたので、透熱灸を行ったところ、施術後には腹部の痛みがほぼなくなりました。
このツボを押して強い痛みが出る方であれば、蠡溝が生理痛を楽にしてくれる可能性があります。
それでも楽にならない場合

蠡溝を使っても効果が出ない場合は、以下のような要因が関わっていることがあります。
- 免疫の問題:喉(扁桃・上咽頭)の慢性炎症
- 循環の問題:瘀血(おけつ)により血の巡りが滞った状態
- 自律神経の問題:体が過敏になっている
これらについては、下記をご覧ください。
▶慢性上咽頭炎と鍼灸治療
▶瘀血(おけつ)と鍼灸治療
▶自律神経失調症と鍼灸治療
このような場合は、自己ケアだけで対処するのが難しいこともあります。
当院では、脈診・腹診・ツボの反応を確認しながら、体全体の状態をみて施術を組み立てています。
施術をご希望の方は、ご利用の流れをご覧ください。
まとめ
- 三陰交で楽にならなかった生理痛には、蠡溝(れいこう)を試す価値があります
- 押して強い圧痛がある方は、このツボが反応しているサインです
- 透熱灸または台座灸で、痛みが和らぐことがあります
- 効果が出ない場合は、瘀血・免疫の弱り・自律神経など、別の要因が関係していることがあります
参考図書
- 経絡経穴概論(医道の日本社)
- 鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
- 鍼灸臨床 わが三十年の軌跡(医道の日本社)

