― 扁桃・慢性上咽頭炎と自律神経の深い関係 ―
【最終更新日】2026年1月31日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)
「自律神経が乱れていますね」と言われたものの、
なぜ不調が続いているのか、はっきりした説明を受けたことはありますか?
- めまいが続く
- 首や肩のこりが取れない
- 動悸や不安感がある
- 食欲が落ちている
- 喉に違和感があるが、痛みはない
このような症状がある方の中には、
喉(扁桃・慢性上咽頭炎)の影響が関係しているケースが少なくありません。
実際、初めて来られた方に
「喉の炎症が自律神経に影響している可能性がありますよ」
とお伝えすると、不思議そうな顔をされることもよくあります。
中には、
「喉は痛くないから、自律神経を治してほしい」
と言われる方もいます。
しかし、喉に強い痛みがなくても、慢性的な炎症が続いていることは珍しくありません。
なぜ「喉の炎症」で自律神経が乱れるのか?

私の施術では、
- 脈診(みゃくしん)
- 腹診(ふくしん)
- ツボの反応
といった、東洋医学を基にした検査を行い、不調の原因を探していきます。
その中で、よく観察される反応のひとつが、耳の下の筋肉(胸鎖乳突筋)を押したときの痛みです。

この反応がある場合、
- 扁桃に炎症が起きている
- 慢性上咽頭炎が関与している
といった可能性が考えられます。
扁桃と自律神経の関係について

扁桃には、次のような種類があります。
- 口蓋扁桃(こうがいへんとう)
- 咽頭扁桃(いんとうへんとう)
- 耳管扁桃(じかんへんとう)
- 舌扁桃(ぜつへんとう)
これらは、外部から侵入する病原体を防ぐ、免疫にとって重要な役割を担っています。
一方で、扁桃や上咽頭は、自律神経と非常に関係が深い部位でもあります。
専門書にみる「喉と自律神経」の関係
長野式鍼灸を創始・考案された 故・長野潔先生 は、
臨床の中で扁桃に重点を置き、さまざまな不調を改善されていました。
著書
『鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本)』には、次のように記されています。

「扁桃の単位ともいうべきリンパ小節にも自律神経が入り込んでいる。
だから、扁桃炎がおきると、細菌毒素や炎症に因る病変で自律神経が刺激される。」
また、
堀田修 医学博士・相田能輝 歯学博士の著書
『道なき道の先を診る(医薬経済社)』では、

「上咽頭は、自律神経の中枢に刺激を伝達する求心性線維が相当多く錯綜している、
神経線維の豊富な部位とされ、解剖学的に自律神経系に影響を与えやすい特徴がある。」
と述べられています。
つまり、
喉(扁桃・上咽頭)に慢性的な炎症があると、自律神経が刺激され続ける状態になりやすい
ということです。
こんな症状がある方は、喉の影響を受けているかもしれません

喉の炎症が関係している場合、次のような症状が現れることがあります。
「まさか、喉が原因でこんな症状が出るとは思わなかった」
そう感じる方がほとんどです。
精神的・肉体的ストレスと喉の炎症

逆に、
- 強い精神的ストレス
- 慢性的な疲労
- 睡眠不足
といった状態が続くことで、
喉(扁桃・慢性上咽頭炎)に炎症が起きやすくなることもあります。
つまり、
自律神経の乱れ ⇄ 喉の炎症
このような悪循環が生じているケースも少なくありません。
おかだ鍼灸院の考え方

― 喉と副腎、両方から整える ―
おかだ鍼灸院では、
- 喉(扁桃・慢性上咽頭炎)の炎症を鎮めること
- ストレスに深く関わる「副腎」へのアプローチ
この両面から自律神経の不調に取り組むことを大切にしています。
喉だけ、
自律神経だけ、
どちらか一方を見るのではなく、
身体全体の反応を確認しながら施術を行うことが重要だと考えています。
▶副腎はストレスに対処し、自律神経に関係していた?!はこちらをご覧ください
まとめ:喉を整えることが、回復への糸口になることもあります
検査では異常が見つからない。
薬を飲んでも、すっきりしない。
そのような状態が続いている場合、
喉(扁桃・慢性上咽頭炎)という視点が、
回復へのヒントになることがあります。
一人で悩まず、
身体の反応を丁寧に確認しながら、原因を一緒に探していきましょう。
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