腎虚にお勧めのツボ|東洋医学で考える「腎」の弱りと体のサイン

東洋医学で考える腎虚により体調不良が起きているイメージ ツボ情報

この記事では、腎虚に使われる代表的なツボをご紹介しています。
「そもそも東洋医学でいう腎とは何か?」については、
東洋医学で考える『腎』の働き で詳しく解説しています。

【記事改定日】2026年1月25日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)


最近、こんな不調はありませんか?

腎虚による慢性的な疲労やだるさに悩む男性のイメージ
  • 寝ても疲れが取れない
  • 足腰が弱ってきた気がする
  • 耳鳴り・めまいが気になる
  • 白髪が増えた、髪にハリがない
  • 不妊・妊活がうまくいかない
  • 年齢の割に不安感が強い

これらの症状は、東洋医学でいう
「腎虚(じんきょ)」=腎の働きの低下
と関係していることがあります。


『腎』は、どのような働きをしているの?

腎の働きを説明している鍼灸師

まず、西洋医学の「腎臓」と、東洋医学で考える「腎」は、
似ているところはありますが、同じものではありません

東洋医学における「腎」は、
生命力の土台ともいえる存在です。

東洋医学で考える腎の主な働き

  • 成長・発育・生殖に関与している
  • 脳の働き・骨の強度(丈夫さ)に関与
  • 聴力など耳に関与
  • 水分代謝に関与
  • 呼吸(特に吸気)に関与
  • 気力・体力・抵抗力に関与
  • 体内に留める働きに関与
  • 恐れの感情に関与
  • 唾と関係がある

※ 東洋医学では「腎は生命エネルギーを蓄える場所」と考えられています。

過労・加齢・ストレス・不摂生・久病・房事過度などにより、
この腎の働きが弱ると、さまざまな不調が現れます。


腎虚による主な症状

① 腰や足のだるさ

腎虚により腰や下肢のだるさを感じている男性のイメージ

腰は、「腎の府」と言われています。
腎虚になると、腰や下肢の不調が現れやすくなります。

最近「足腰が弱ってきた」と感じる方や、
骨粗しょう症と診断された方は、腎虚の影響かもしれません。

腎虚はご年配の方だけではありません。若い方もいます。


② 耳の不調

腎虚と関係する耳鳴りや聴力低下を気にしている男性のイメージ

腎は、「耳に開竅(かいきょう)する」と言われます。
これは、「耳は腎の状態が表れやすい窓口」という意味です。

加齢に伴う耳鳴り・難聴だけでなく、
メニエール病・突発性難聴なども、腎が関係している場合があります。


③ 髪への影響

腎虚による白髪や髪のハリ低下を気にしている女性のイメージ

腎が弱くなると、
白髪が増える・髪が細くなる・艶がなくなる
といった変化が現れます。

これは、腎に蓄えられている
「精(せい)」の不足が関係しています。

東洋医学では
「髪は血の余り」
「精は血に変化する」
と考えられており、腎の弱りは髪に反映されやすいのです。


④ 記憶力の低下・物忘れ

腎虚による記憶力低下や物忘れを説明するイラスト

脳は「髄海(ずいかい)」と呼ばれ、
多くの「髄」が集まる場所です。

この髄は、腎に蓄えられている精から作られると考えられています。

そのため、精が不足すると
記憶力の低下・物忘れが起こりやすくなります。


⑤ 頻尿やむくみ

腎虚によるむくみや頻尿に悩んでいる女性のイメージ

腎は、全身の水分代謝を調節しています。

腎虚になると、
頻尿・夜間尿・むくみ
といった症状が現れることがあります。


⑥ 不安感が強くなる

腎虚と関係する不安感や恐れを感じている女性のイメージ

東洋医学では、五臓それぞれに
精神作用があると考えられています。

腎は「恐れ」の感情と深く関係しており、
腎虚になると、理由のない不安感が強くなることがあります。


その他の症状

腎虚と関係する不妊や体力低下など、さまざまな不調を抱えている人のイメージ

不妊症・流産・早産・発育障害
元気が出ない・集中力低下・めまい
尿漏れ・下痢・唾が出にくい
骨折しやすい・深い呼吸がしにくい
細かい動きがやりにくい

これらも「腎」と関わる症状です。


腎虚にお勧めのツボ4選

① 照海(しょうかい)

腎虚に使われるツボ「照海(しょうかい)」の位置

照海は、足の少陰腎経に属するツボです。

内くるぶしの頂点から、
親指の幅1本分下(1寸)にあります。

✔ のぼせやすい
✔ 眠りが浅い
✔ 喉が乾きやすい

このような腎虚の方に向いています。


② 関元(かんげん)

腎虚に使われる関元の位置を示した図

関元は、任脈上にある重要なツボです。

おへそから指4本分(3寸)下にあります。

腎虚の方は、
ここが凹んでいたり、力がなく柔らかいことが多く見られます。

✔ 冷えやすい
✔ 疲れが抜けない
✔ 気力が落ちている

このような方におすすめです。


③ 復溜(ふくりゅう)

腎虚に使われる復溜の位置を示した図

復溜は、足の少陰腎経にあるツボです。

内くるぶしの頂点から、
太谿(たいけい)を基準に指3本分上(2寸)にあります。

✔ むくみやすい
✔ 水分代謝が悪い
✔ 冷えと疲れが同時にある

このようなタイプに使います。


④ 腎兪(じんゆ)

腎虚や副腎疲労と関係が深いツボ「腎兪(じんゆ)」の位置

腎兪は、背中にある腎の代表的なツボです。

第12肋骨を目安に、
第2・第3腰椎棘突起の間から
外方1寸5分の位置にあります。

✔ 慢性的な腰のだるさ
✔ 冷えが強い
✔ 体力低下を感じる

このような腎虚に用います。


ツボの使い分けについて

  • 脈が1分間80拍以上と速い方
     → 照海 + 関元
  • それ以外の方
     → 復溜 + 腎兪

これらのツボに
台座灸透熱灸を行うと効果的です。


セルフケアと鍼灸治療の違い

ご自宅でのお灸は、とても良いセルフケアです。
ただし、腎虚の程度や体質によっては、
ツボの選び方や刺激量の調整が重要になります。

当院では、脈・腹・体の反応を確認しながら、
その方に合った方法で腎の働きを整えていきます。


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おかだ鍼灸院 院長。

東洋医学(脈診・腹診)を中心に、
自律神経の不調や不妊(妊活)のお悩みを
25年以上臨床でサポートしています。

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