慢性的な疲労や不安、ストレスに弱くなった感じが続いていませんか?
病院の検査では異常がないと言われても、「何となく体調がすぐれない」「回復に時間がかかる」このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
この記事では、東洋医学の視点から考える「副腎疲労」と、実際の臨床でもよく使うツボ(照海・腎兪)やセルフケアについて、鍼灸師の立場から分かりやすく解説します。
【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)
【公開日】2021年3月30日
【最終更新日】2026年1月9日
副腎(ふくじん)って何?

副腎は、腎臓の上に乗っている内分泌器官です。
副腎は「ストレスの腺」として知られており、ケガや病気だけでなく、仕事・人間関係・精神的な負担など、あらゆるストレスに身体が対処できるように働く重要な器官です。
副腎の働きについて

副腎は、髄質と皮質の2つに分けられます。
副腎髄質の働き
副腎髄質からは、
- アドレナリン
- ノルアドレナリン
- ドーパミン
といったホルモンが分泌されます。
これらは、
不安・恐怖・怒り・生命の危機といった強いストレスを感じた時に分泌され、交感神経を活発にする役割を持っています。
副腎皮質の働き

副腎皮質からは、
- コルチゾール
- アルドステロン
といったホルモンが分泌されます。
これらには、以下のような重要な働きがあります。
副腎疲労が起きると、どのような症状が出るの?

副腎の働きが低下すると、次のような不調が現れやすくなります。
副腎疲労には、このツボがおすすめ!
文章だけでは分かりにくい方は、動画でも副腎疲労に効果が期待できるツボを解説しています。
私(鍼灸師)が、副腎にアプローチする際によく使うツボは、
- 照海(しょうかい)
- 腎兪(じんゆ)
です。
これらは、**東洋医学で考える「腎」**と深く関係するツボです。
鍼灸文献からみる副腎とツボの関係

鍼灸治療基礎学(医道の日本社)
「副腎疾患の反応は、圧痛・硬結または皮電点として命門・腎兪・三焦兪などにあらわれ、その治療としても著効を奏する。」

鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
「照海というのは副腎皮質、然谷というのは副腎髄質と関係が深い。
照海に鍼を留めると、副腎皮質ホルモンの分泌が促進され、副腎髄質ホルモンの分泌を抑制するように働く。」
これらの記述からも、
照海と腎兪を適切に使うことで、副腎疲労に良い影響が期待できることが分かります。
臨床での経験から
実際に私も、軽度のうつ症状がみられた方に、照海・腎兪を中心とした施術を続けたところ、元気を取り戻し、社会復帰されたケースを経験しています。
ツボの使い方(脈との関係)

まず、撓骨動脈の拍動(脈)を確認します。
- 脈が速い方(1分間80拍以上)
→ 照海を使用 - 脈が遅い方(1分間60拍以下)
→ 照海+腎兪を使用
ツボの場所
▶ 副腎疲労に使うツボ【照海】

照海(しょうかい)は、足首の内側にあります。
- 内踝(うちくるぶし)の下1寸(親指の幅)
【参考】
取穴部位:内果の直下1寸(引用:経絡経穴概論[医道の日本社])
▶ 副腎疲労に使うツボ【腎兪】

腎兪(じんゆ)は、腰部にあるツボです。
- 第2・第3腰椎棘突起間の外1寸5分
- 親指1本分(1寸)+半分(0.5寸)
【参考】
取穴部位:第2・第3腰椎棘突起間の外1寸5分(引用:経絡経穴概論〔医道の日本社〕)
お灸のやり方

私がおすすめするお灸は、
- 透熱灸(とうねつきゅう)
- 台座灸(だいざきゅう)
です。
まずは、台座灸から初めて、慣れてきたら透熱灸にチャレンジしてみてください。
透熱灸

米粒~半米粒ほどのもぐさを捻って行うお灸です。
- 1日3壮から開始
- 慣れたら5壮・7壮へ
- 効果は高いが、作るのが難しい
台座灸

皮膚にもぐさが直接触れないため、火傷しにくいお灸です。
- 温かく心地よい
- 効果は透熱灸より穏やか
- 1日1~2個が目安
副腎疲労は、自律神経の乱れやストレス状態と深く関係しています。
全体的な考え方や施術方針については、以下のページで詳しく解説しています。
▶ 自律神経失調症に対する鍼灸治療の考え方はこちら
参考図書
- 医者も知らないアドレナル・ファティーグ(中央アート出版)
- 鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
- 鍼灸治療基礎学(医道の日本社)
- 経絡経穴概論(医道の日本社)
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