【最終更新日】2026年1月23日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)
結論|もぐさを使ったお灸のやり方は、この手順で行います

もぐさを使ったお灸のやり方の全体像
- 必要な道具を準備する
- もぐさを糸状に捻る
- ツボに紫雲膏を塗る
- もぐさを立てて火をつける
- 3壮から始め、慣れたら回数を増やす
この記事では、鍼灸師が実際の臨床でも行っている
「もぐさを捻るお灸のやり方」を、できるだけ分かりやすく解説します。
もぐさを捻るお灸と台座灸(温灸)の違い

鍼灸のプロが行うお灸は、もぐさを「米粒または糸状」に指で捻って行うお灸(透熱灸)です。
これを一般の方が同じようにもぐさを捻っても、「米粒」ではなく「小豆程」の大きさになってしまう傾向があります。
お灸が大きくなってしまうと、灸痕(きゅうこん)も当然大きくなってしまいます。
灸痕が大きくなると効果が高まるという利点はありますが、
女性は、お灸の痕が大きくなるのは嫌でしょう。
ここでは、なるべく灸痕のできにくい
「糸状灸」のやり方をお伝えします。
なぜ市販の台座灸より、もぐさを捻るお灸が良いのか?

それは、市販で売られているお灸では、
「体質改善」をあまり望めないからです。
台座灸は、基本的に「やけど」をしないお灸です。
「やけどをしない」「温かくて気持ちが良い」という利点があるのですが、やけどをしない代わりに効果が薄いのです。
昔ながらに行っているお灸では、
もぐさを米粒程に捻って皮膚の上(ツボ)に直接おいて火をつけます。
そのため、皮膚に小さい「やけど」ができます。
もぐさを捻るお灸が体に与える影響

この小さな「やけど」は、血液成分にも影響を及ぼします。
血液の中には、赤血球・白血球・血小板などがありますが、体の中へ侵入してきた病原菌を喰いつくして、たえず体を守ってくれるのが「白血球」です。
昔ながらのお灸には、この白血球を増やす働きがあるため、「免疫力」が高まると考えられています。
また、小さな「やけど」を作る事により、
身体の治そうという力(自然治癒力)を活発にします。
身体には365穴の「ツボ」があり、それぞれ固有の効果があります。
そのツボにもぐさを捻ったお灸を行うことで、効果も高まりやすくなります。
鍼灸師の先生から聞いた市販のお灸の評価
私は、鍼灸の世界で有名な先生に、
市販で売られているお灸の効果について聞いた事があります。
その先生によると、
「本物のお灸と比べて、効果は半分以下」
とおっしゃっていました。
ぜひ、あなたも
体質改善を期待できる「もぐさを捻るお灸」のやり方をマスターしてみてください。
もぐさを捻るお灸のやり方【準備編】

お灸に必要な物
お灸を行う時に必要な物は、
・灰皿
・もぐさ
・ライター
・紫雲膏
・綿棒
・水を含ませた脱脂綿
です。
ここで使用する「もぐさ」は、質の良い物が必要です。
間違えて粗悪な物を購入してしまうと、
もぐさを捻って作るお灸(透熱灸)には向いていません。
私(鍼灸師)のお勧めは、『せんねん灸もぐさ』です。


初めての方は、こちらを選んでみてください。
『もぐさ』と『線香』がセットで入っています。
お灸を行う際の注意点
・煙が部屋に充満しないよう、換気扇のそばで行いましょう
・火の取り扱いには十分注意してください
・皮膚の弱い方は、水ぶくれができる場合があります
水ぶくれができた場合は、その場所へのお灸は中止してください。
多くの場合、自然と治ります。
紫雲膏は、やけどのお薬です。
水ぶくれが破けた場合は、消毒をして
バンドエイドを貼っておきましょう。
お灸を行うタイミング

お灸を行う時は、
・お風呂の直前
・お風呂に入った直後
は避けましょう。
それ以外でしたら、いつ行っても大丈夫です。
※飲酒をした場合は控えてください。
お風呂の直前は皮膚が敏感になり、
直後は体が温まりすぎて熱く感じやすいためです。
簡単|もぐさの捻り方(糸状灸)

手の平に、ひとつまみの「もぐさ」をのせます。
もぐさに指腹を当て、
前後に転がすように捻ってください。

この際、強い圧力がかからないように注意してください。
(強い圧が加わると、糸状になりません)
もぐさが糸状になりましたら、完成です。
心地よいお灸のすえ方
① 紫雲膏を塗る

はじめに、綿棒を使ってツボに紫雲膏を塗ります。
指で塗ってしまうと、
手がベトベトして、もぐさが捻りにくくなります。
紫雲膏を塗る理由は、
・やけどを小さくする
・もぐさを皮膚に接着させる
ためです。
本来は塗らない方が効果的ですが、
やけどを避けたい方にはおすすめです。
熱さが心配な方は、紫雲膏を少し厚めに塗ることで、熱の伝わりをマイルドに調整できます。
② もぐさを立てて火をつける

紫雲膏を塗ったところに、
糸状に捻った「もぐさ」をちぎって立てます。
線香に火をつけ、
その火をお灸に近づけます。
③ 灰を利用して回数を重ねる
お灸が燃えた後の灰はどかさず、
その上に次のお灸をのせると熱さを緩和できます。
初めての方は3壮(お灸を3回すえること)から始め、
慣れてきたら5壮・7壮と数を増やしていきましょう。
関連動画|もぐさを捻るお灸の実際の手順
文章だけでは伝わりにくい、
もぐさを捻る指の動きや、お灸のすえ方を
動画で確認できます。
① 新版の動画
② 旧版の動画
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