【記事改訂日】2026年2月13日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)
血糖値は、『陰陵泉』や『脊中』にお灸をすると、膵臓に影響を与え、数値の変化が見られることがあります。
健康診断で「血糖値が高め」と言われた方や、HbA1cが少しずつ上がってきた方の中には、
「薬以外にできることはないだろうか」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
※血糖値の管理は医療機関での指導が基本です。本記事では、体質改善の一助として東洋医学の視点からツボをご紹介します。
今回お伝えするのは、運動不足で血糖値が心配の方にお勧めの「ツボ」です。
ツボ1:脊中(せきちゅう)について

脊中は、背中の真ん中にあるツボです。
世界に広がる『長野式』を創始・体系された長野潔先生によると、
「脊中は、糖尿病に良く効くところである。ここに陰陵泉と共に7壮施灸し、その両脇に皮内鍼を保定すると血糖値が下がるのをみる事ができる」
と記されています。
<引用:鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)>
実際に、「血糖値が高めで困っている」という方に、脊中へ皮内鍼を継続的に行ったところ、HbA1cに変化が見られたケースもありました。
このツボは、お灸でも効果を発揮しますので、血糖値が高めの方は自宅でお灸を行うのも一つの方法です。
脊中の探し方
ツボの探し方は、
肩の骨の出っ張り(肩峰)と、骨盤の骨(腸骨陵)が一番高くなっている場所を斜めに線を引いたと仮定し、クロスさせます。
左右の線が交わった場所が、脊中になります。
経絡経穴概論(医道の日本社)
取穴部位:第11・第12胸椎棘突起間
ツボ2:陰陵泉(いんりょうせん)について

陰陵泉は、膝の内側にあるツボです。
このツボは、足の太陰脾経と呼ばれる経絡上にあります。
経絡というのは、気・血の流れる川のようなものです。
そして、足の太陰脾経という名前から分かるように、「ツボ」と「脾」は経絡を介してつながっています。
そのため、陰陵泉にお灸をすることにより、気・血の流れが良くなり、内臓の働きを整えるサポートが期待されます。
東洋医学で考えられている「脾」は、西洋医学の「膵臓」と関連が深いとする見解もあります。

【参考】
医師で古典研究家でもある家本誠一先生は、脾は膵臓と言われる。糖尿病と膵臓、古典の脾と交わること深い。
<引用:首藤伝明症例集(医道の日本社)>
膵臓は血糖値を下げるホルモン(インスリン)を分泌しています。
ツボへの刺激によって、内臓の働きを整えることが血糖値管理の一助となる可能性があります。
陰陵泉の探し方
脛(すね)の内側を指腹で膝方向に擦り上げます。
膝の近くで骨がカーブしている場所があります。
そのカーブ付近で指が止まる所が、陰陵泉のツボになります。
経絡経穴概論(医道の日本社)
取穴部位:脛骨内側顆の下、脛骨内側の骨際、陥凹部
東洋医学ではなぜ血糖値と関係するのか?

東洋医学では、血糖値だけを単独で見るのではなく、
- 胃腸の疲れ
- 慢性的なストレス
- 自律神経の乱れ
- 内臓機能の低下
といった体全体のバランスを重視します。
実際に、血糖値が高めの方の中には、胃腸の不調や慢性的な緊張状態を抱えているケースも少なくありません。
ツボ刺激は、こうした体のバランスを整える一つの方法として用いられています。
お灸を行う際のポイント

初めてお灸を行う方は、ドラッグストアなどで販売されている「台座灸」を使用すると良いでしょう。
- 1日1~3壮を目安に行う
- 熱さを我慢しすぎない
- やけどに注意する
- 無理のない範囲で継続する
お灸だけでなく、食べ過ぎや運動不足にも注意し、生活習慣の改善も心がけましょう。
台座灸のやり方(動画)
※初めての方は、こちらの動画をご覧ください。
【参考図書】
- 経絡経穴概論(医道の日本社)
- 鍼灸臨床 新治療法の探求(医道の日本社)
- 病気別・症候別灸治療(緑書房)
- 首藤伝明症例集(医道の日本社)
【関連記事】
- 発表!胃もたれと食欲不振に効くツボ!発表!過敏性腸症候群に効果のあるツボ!
- 鍼灸のプロが教える「便秘」に効くツボ!
血糖値を下げるツボの動画解説
実際のツボの位置やお灸の方法を動画で解説しています。
文章だけでは分かりにくい方は、こちらをご覧ください。
【追記】
※当院では、ツボや対症的なケアだけでなく、体のバランスを整える根本的な施術も行っています。
血糖値が高めの背景には、自律神経の乱れや内臓疲労が関係していることもあります。
【関連する専門ページ】
▶自律神経の乱れを根本から整えたい方へ
▶不妊・妊活で体質改善を考えている方へ


