鍼の刺激に「強い人」と「弱い人」がいる事を知っていますか?

背中に鍼治療を受けている女性 東洋医学の基本

【記事改定日】2026年2月25日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)


鍼の刺激には「個人差」があります

鍼治療の刺激を痛がる男性

鍼治療を受けたことがある方なら、

「他の人は痛くないと聞いていたのに、私は痛かった…」
「鍼をすると軽くなると聞いたのに、2~3日体がだるかった…」

このような経験をされたことがあるかもしれません。

実は、鍼の刺激の感じ方には大きな個人差があります。

同じツボ・同じ鍼の太さ・同じ長さで施術しても、

・全く痛みを感じない方
・チクッと強く感じる方
・施術後にだるさ(瞑眩反応)が出る方
・ほとんど反応が出ない方

さまざまです。

これは「鍼が合わない」というよりも、刺激に対する体質の違いによるものです。


マッサージでも起きている刺激の個人差

強いマッサージを受ける女性

短時間・軽めのマッサージでも「もみ返し」が起きやすい方がいます。

逆に、60分・90分・120分と長時間・強めの施術を受けても平気な方もいます。

これは、刺激に対して

・敏感なタイプ
・比較的強いタイプ

の違いです。

鍼灸でも同じことが言えます。


刺激に敏感な傾向がみられる方の特徴

鍼の刺激の個人差を説明する鍼灸師

※あくまで傾向であり、すべての方に当てはまるわけではありません。

■ もみ返しが起きやすい方

マッサージや整体のあとに、すぐにだるさや痛みが出る方は、鍼の刺激にも敏感なことがあります。


■ 薬の副作用が出やすい方

これまで服用した薬で副作用が出やすかった方は、身体の反応が鋭敏な場合があります。


■ 緊張すると手に汗をかきやすい方

初めて鍼を受ける方は緊張されますが、特に汗ばみやすい方は、自律神経(交感神経)が優位になりやすく、刺激に敏感な傾向があります。


■ 神経をよく使う方(デスクワーク中心)

デスクワークで緊張している女性

頭をよく使う仕事の方は、精神的な緊張が続きやすく、自律神経が乱れやすい傾向があります。

そのため、強い刺激よりも「調整するような鍼」が適している場合があります。

当院では、自律神経のバランスを整える鍼灸にも力を入れています。
詳しくはこちらをご覧ください。
自律神経失調症専門ページへ


■ 不安傾向が強い方

うつや不安症などをお持ちの方は、感受性が高く、刺激に敏感な場合があります。

これは「弱い」という意味ではなく、少ない刺激で変化しやすい体質とも言えます。


■ 男性と女性の違い

一見、体格の良い男性の方が刺激に強そうに思われますが、実際の臨床では女性の方が落ち着いて受けられることも少なくありません。

初めて鍼を受ける男性の場合、ツボに刺す際に使用する鍼管を当てただけで「痛い!」と言われることもあります。

まだ刺していないのに…。

これも緊張や自律神経の状態が関係していると考えられます。


■ お話しが止まらないタイプの方

施術前から緊張してよくお話しされる方がいます。

一見リラックスしているように見えますが、実は緊張を言葉で発散している場合もあります。

このような方は交感神経が優位になっていることが多く、刺激に敏感に反応する傾向がみられることがあります。

もちろんすべての方に当てはまるわけではありませんが、施術前の会話も体質を見極める大切なヒントになります。


刺激量は「最初が肝心」です

鍼治療で刺激量を調整する様子

このように、鍼の刺激には個人差があります。

しかし、実際に施術をしてみないと分からない部分もあります。

そのため当院では、

初めての方には、まず軽めの刺激で施術を行います。

そうすることで、

「鍼は怖い」「もう受けたくない」

という印象を防ぎ、2回目・3回目と施術を重ねる中で、その方にとって最適な刺激量へと調整していきます。


刺激に弱い=鍼に向いていない、ではありません

刺激に敏感な体質を説明する鍼灸師

刺激に敏感な体質は、決して悪いことではありません。

むしろ、少ない刺激で身体が変化しやすい体質とも言えます。

特に、

・自律神経の乱れ
・不妊体質
・冷えやストレスによる不調

といった症状では、刺激量の調整が結果を左右することがあります。

鍼が不安な方も、どうぞ安心してご相談ください。


まとめ

鍼の刺激には「強い人」と「敏感な人」がいます。

しかしそれは優劣ではなく、体質の違いです。

当院では、体質・自律神経の状態を見極めながら、その方に合った最適な刺激量で施術を行っています。

初めての方も安心してお越しください。