【最終改定日】2026年2月28日
【筆者】岡田 匡史(国家資格・鍼灸師)
「鍼は本当に効くのだろうか?」
「自分は鍼が効きやすい体質なのだろうか?」
そのような疑問を持たれる方は少なくありません。
では、実際に“鍼が効きやすい人”というのはいるのでしょうか。
臨床を25年以上続けてきて、はっきりと言えることがあります。
鍼の効きやすい人と、反応が出るまで時間がかかる人は確かにいます。
開業前は、鍼灸整骨院・整形外科などで鍼灸治療をさせてもらっていましたが、その頃からずっと感じていることです。
病気によって回復スピードは違う
もともと、不調の種類によって回復の早さは異なります。
ぎっくり腰の場合

最初は激痛で歩くのも大変そうに見える状態でも、数日~1週間程度で動けるようになる人もいます。
(※重症の場合はもっとかかることもあります)
五十肩の場合

関節の拘縮が改善するまでに、3か月・半年・1年とかかることもあります。
このように症状による違いはありますが、それとは別に「鍼の効きやすさ」というものがあると感じています。
施術前に必ずみているポイント

私は施術前に
・脈
・お腹
・ツボの反応
を確認しています。
なぜなら、
- 現在の身体の状態(原因)が分かる
- 施術前と施術後の変化を確認できる
からです。
例:腰痛+動悸+眼精疲労の方の場合

主訴:腰痛
随伴症状:動悸・眼精疲労
このような方の脈をみると、糸のように細く、拍動がピンピンと鋭く打っていることがあります。
これは、
血流が悪くなり、自律神経が乱れている状態
を示していることが多いです。
さらに腹診で下腹部を押すと硬くなっていて、痛みを伴います。
この反応も、血流の滞りを表しています。
実はこの状態は、腰痛だけでなく
・動悸
・眼精疲労
・慢性的な疲労
などにも深く関係しています。
当院が専門としている
▶自律神経の乱れに対する鍼灸治療はこちら
とも密接に関わる部分です。
鍼が効きやすい人の反応
このような状態の方に鍼をするとどうなるのか。
鍼の効きやすい人の場合、手足のツボに鍼をした途端、
- 細くなっていた脈管が拡張し
- ピンピン強く打っていた脈が「柔らかく」「ゆったり」としてきます
- カチコチに硬くなっていたお腹が、柔らかくなり、温かくなります
体の変化を敏感に察知する方ですと、
「目が明るく見えるようになりました」
「気持ちが落ち着きました」
と施術中にお話しを聞くこともあります。

これは、目への血流が良くなり、自律神経の乱れが整ってきたことを表しています。
そして、一番の悩みである腰を動かしてもらうと、
「腰も楽になりました」
と聞くことがあります。
(※患部の腰に鍼をすることなく)
ここまでくると、鍼灸師から見て
「鍼の効きやすい人だな」と感じます。
実は誰でも変化は起きている

毎回、このような人に出会えるわけではありません。
しかし、誰でも鍼をすると体に微妙な変化は起きています。
違いは、それに気づくか・気づかないかです。
例えば、
腰痛で前屈しようとすると激痛が走り、全く曲げられない人がいます。
しかし施術後は、30°くらい前屈してから
「痛いです」「変わらないです」と言われることがあります。
けれど、
全く曲げられなかった状態から、少し曲げられるようになった。
この変化も、効いている証です。
この積み重ねによって、一歩一歩、良くなっていくものです。
まとめ:鍼が効きやすい人とは
✔ 体の変化が素直に出る
✔ 自律神経の調整が入りやすい
✔ 血流改善が起きやすい
✔ 回復力が働きやすい
という特徴があります。
そしてそれは「体質」だけで決まるものではありません。
・睡眠
・食事
・ストレス
・冷え
などの生活習慣によっても変わってきます。
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