「もぐさを捻るお灸」と「台座灸」の違い
【最終更新日】令和6年4月23日
【筆者】岡田 匡史(鍼灸師)
鍼灸のプロが行うお灸は、もぐさを「米粒または糸状」に指で捻って行うお灸(透熱灸)です。
これを一般の方が同じようにもぐさを捻っても、「米粒」ではなく「小豆程」の大きさになってしまう傾向があります。
お灸が大きくなってしまうと、灸痕(きゅうこん)も当然大きくなってしまいます。
灸痕が大きくなると効果が高まるという利点がありまが、女性は、お灸の痕が大きくなるのは嫌でしょう。
ここでは、なるべく灸痕のできにくい「糸状灸」のやり方をお伝えします。
その前に、なぜ市販で売られている台座灸(温灸)より、もぐさを捻って行うお灸が良いのでしょうか?

それは、市販で売られているお灸では、「体質改善」をあまり望めないからです。
台座灸は、基本的に「やけど」をしないお灸です。
「やけどをしない」・「温かくて気持ちが良い」という利点があるのですが、やけどをしない代わりに効果が薄いのです。
昔ながらに行っているお灸では、もぐさを米粒程に捻って皮膚の上(ツボ)に直接おいて火をつけます。
そのため、皮膚に小さい「やけど」ができます。
この小さな「やけど」は、血液成分にも影響を及ぼします。
血液の中には、赤血球・白血球・血小板などがありますが、体の中へ侵入してきた病原菌を喰いつくして、たえず体を守ってくれるのが、「白血球」です。

昔ながらのお灸には、この白血球を増やす働きがあるので、「免疫力」が高まります。
また、小さな「やけど」を作る事により、身体の治そうという力(自然治癒力)を活発にします。
その他、身体には365穴の「ツボ」がありますが、それぞれ固有の効果があります。そのツボにもぐさを捻ったお灸をするので、効果も高まるのです。
私は、鍼灸の世界で有名な先生に市販で売られているお灸の効果について聞いた事があります。
その先生によると、「本物のお灸と比べて効果は半分以下」とおっしゃっていました。
是非、あなたも、体質改善を期待できる「もぐさを捻るお灸」のやり方をマスターしましょう!
もぐさを捻るお灸のやり方

まずは、準備が大切です
お灸を行う時に必要な物は、灰皿・もぐさ・ライター・紫雲膏・綿棒・水を含ませた脱脂綿を用意しましょう。
ここで使用する「もぐさ」は、質の良い物が必要です。
間違えて、粗悪の物を買ってしまうと、もぐさを捻って作るお灸(透熱灸)には向いていないので気をつけて下さい。
私(鍼灸師)のお勧めは、『せんねん灸もぐさ』です。初めての方は、こちらを購入してみてください。
『もぐさ』と『線香』がセットで入っています。


次に、水に濡らした脱脂綿は、紫雲膏を使わない時に「もぐさ」の底に着けると、皮膚にお灸が付きやすいです。
そして、線香とお灸の煙が部屋に充満しないように換気扇のそばで行う事をお勧めします。
また、火の取り扱いに注意して下さい。
皮膚の弱い方の場合、お灸をしたところが「水ぶくれ」になってしまう事もあります。
その時は、その場所にお灸をしないで下さい。自然と治ります。また、紫雲膏がやけどのお薬です。
水ぶくれが破けてしまった時は、消毒をして雑菌が入らないようにバンドエイドを貼っておきましょう。
お灸のタイミング

お灸を行う時は、「お風呂の入る直前」や「お風呂に入った直後」を避けましょう。
それ以外でしたら、いつ行っても大丈夫です。(※飲酒をした場合は、やめましょう)
なぜ、上記の時に「お灸をしてはいけないのか?」という理由は、お風呂に入る直前だと、皮膚が「ピリピリ」と感じます。
また、お風呂に入った直後だと、体が温まっていて「お灸が熱い」からです。
▶効果の出るお灸の期間
簡単:もぐさの捻り方

手の平に、ひとつまみの「もぐさ」をのせます。

もぐさに指腹を当て前後に転がして下さい。
この際、強い圧力がかからないようにご注意ください。(強い圧が加わると、糸状になりません×)
もぐさが糸状になりましたら、完成です。
心地よいお灸のすえかた

はじめに、紫雲膏を綿棒を使ってツボに塗ります。
指で塗ってしまうと手が「ベトベト」してしまい、もぐさが手について捻りにくくなります。
紫雲膏を塗る理由は、やけどを小さくする・もぐさを皮膚に接着させる為です。
本当は塗らない方が効果的ですが、やけどを避けたい方にはおすすめです。
紫雲膏を厚く塗ると熱さを緩和し、薄く塗ると熱さが増します。
紫雲膏を塗ったところに、糸状に捻った「もぐさ」をちぎってのせます。

もぐさを切る時は、親指と人差し指の腹で糸状の「もぐさ」をつまみます。
もう片方の指で「もぐさ」をつまんで引きちぎり、紫雲膏の上に立ててのせます。
次に、線香に火をつけ、線香を「お灸」に近づけます。

お灸が燃えた後の灰はどかさずに、その上に次のお灸をのせると熱さを緩和できます。
初めての方は3壮から始め、慣れてきたら5壮・7壮と数を増やします。
関連動画
①新版の動画
②旧版の動画
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